共催:東京日仏学院
企画協力:アダンソニア
東京日仏学院との共催により、フランス犯罪映画(フィルム・ノワール)の一時代を築いたジャン=ピエール・メルヴィルの作品に光をあてます。
ゴダールやトリュフォーらによるヌーヴェル・ヴァーグという映画史的な大ムーヴメントの先駆者であっただけではなく、その後も現在に至るまで、独特な美学、その作風は、タランティーノ、ジョニー・トー、北野武ら、世界中の映画作家たちに多大なる影響を与え続けています。
映画史に燦然とその名を刻みながら、メルヴィルとその作品世界の全貌に迫る機会はこれまで日本ではありませんでした。初の本格的特集となる今回の企画は、映画ファンにとって待望のラインナップです。生涯に残した全14作品のうち、日本初上映の3本を含む13作品を上映、さらにメルヴィルについてのドキュメンタリー作品「コードネームはメルヴィル」(監督:オリヴィエ・ボレール)を加えて上映します。
ジャン=ピエール・メルヴィル
(Jean-Pierre MELVILLE 1917-1973)
プロフィール
1917年10月20日、パリに生まれる。幼少の頃から映画に興味を持ち、特にアメリカ映画を好んで見たという。第二次世界大戦中にはレジスタンス活動に加わる。戦後、自ら製作会社を立ち上げ、46年、初の短編映画『ある道化師の24時間』を監督。翌47年、長編第1作『海の沈黙』を当時の映画業界と一切関わらない形で自主製作。同作品は批評家に絶賛されるとともに興行的にも大きな成功をおさめた。その後、遺作となった『リスボン特急』(72)に至るまで計13本の長編劇映画を監督。とりわけ『いぬ』(62)、『ギャング』(66)、『サムライ』(67)、『仁義』(70)等に代表される犯罪映画の巨匠として知られ、また『モラン神父』(61)、『影の軍隊』(69)のようにレジスタンス活動を扱った作品も発表した。生涯インディペンデントな製作体制を貫き、パリのジェンネル通りに自ら設立した撮影所で多くの作品を撮った。ロケーション撮影を多用したそのスタイルはヌーヴェル・ヴァーグの映画作家たちに大きな影響を与え、ジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』(59)には俳優として出演を請われた。1973年8月2日、死去。
1953年/104分 *日本初上映
1961年/115分
1962年/102分 *日本初上映
1966年/150分