第10回東京フィルメックス開催初日を迎えた21日、「韓国映画ショーケース2009」が有楽町スバル座にてスタートした。映画を通じての日韓両国の文化交流を深めるイベントとして3年目となる本年は、東京フィルメックスとの共同企画となる。作品ラインナップには、チャン・ドンゴン久々の韓国映画復帰作として大きな話題を呼んだ「グッドモーニング・プレジデント」をはじめ話題作10作品が登場。これに伴い初日には、東京フィルメックス映画祭審査委員も列席したレセプションパーティーが、帝国ホテルで華やかに催された。
レセプションパーティーには、国内外の関係者120名が集まり「韓国映画ショーケース2009」の開催を祝った。まず、韓国映画祭振興委員会のチョ・ヒムンさんより「開催に尽力してくれた、日韓両国の映画関係者の皆様に感謝すると共に、映画を通じての相互文化の理解と交流がさらに深まることを期待します」と挨拶。林 加奈子東京フィルメックスディレクターからは『グッドモーニング・プレジデント』をはじめ、10本の素晴らしい映画と共同企画できた事が本当に嬉しく、一般の観客の皆様、映画関係者を巻き込んで、良い形での配給やファンが増えることを願っています」と喜びが語られた。
また、韓国映画ショーケースに併せて来日した3名の監督からの挨拶もあり、『グッドモーニング・プレジデント』のチャン・ジン監督は、会場に映し出された同映画を交えて「現実の大統領が実現できなかったことを形にした作品。映画を撮り続けてきたからこそ、日本の皆さんと良い関係が築けてきた。文化交流とは、政治的な枠を飛び越えて起こるもの。10年後にもこの場にいたい」と抱負を語った。 死刑制度を題材にした作品『執行者』のチェ・ジンホ監督は、同制度が日本にも存在することに触れ「国は違っても、刑務官やそれを取り巻く国民に想いに、大きな違いはないと思っています」と語った。
最後に『亀、走る』のイ・ヨンウ監督からは「日韓のスタッフが協力して映画を製作する。そんな交流が広がることを願っています」と、文化交流に新しい風が吹き込まれる期待を述べた。
また、東京フィルメックス映画祭審査委員長の崔 洋一監督は乾杯に先立ち、「映画は黙っていても、国境を越える!」と力強く語り、両イベントの開催を祝した。
「韓国映画ショーケース2009」は、11月21日(土)~11月30日(月)の日程で、有楽町スバル座にて開催。前売り券完売の作品も出ており、初日には早朝から当日券を求める列が出来たりと盛り上がりを見せている。
当日券は、当日10:00より有楽町スバル座チケット窓口にて販売。※前売券完売作品も、当日券を若干枚数発売(ただし、お一人様2枚まで)詳しい上映スケジュールは、韓国映画ショーケース2009HP https://filmex.jp/kfs/2009/ またはハローダイヤル03-5777-8600(全日8:00~22:00)まで。
(取材・文:阿部由美子/写真:金沢佑希人)
投稿者 FILMeX : 2009年11月21日 22:00