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2009年11月22日 開会式+『ヴィザージュ』舞台挨拶

opceremony_1.jpg 第10回東京フィルメックスの開会式が、11月22日に有楽町朝日ホールにて開催された。記念すべき10周年のオープニングを迎える会場は、今か今かと開幕を待つ観客で満員。司会進行を務めるFM放送局J-WAVEのナビゲーター・Sascha(サッシャ)さんが、林 加奈子東京フィルメックスディレクターを紹介すると、場内に熱い拍手が巻き起こった。

「皆様、10周年です!」と、林ディレクターが力強く開幕を宣言。協賛各社、素晴らしい映画を作った監督とスタッフ、そして、来場した観客に、林ディレクターが御礼を述べるたびに、更なる拍手が会場を包みこんだ。「(開会式に続いて上映されるオープニング作品の)ツァイ・ミンリャン監督の新作『ヴィザージュ』を上映できる喜びを優先させていただいて、今年の開会宣言は、皆様へ心からの感謝をこめて、短くまとめます」という林ディレクターの言葉に、観客は温かな笑いで応じた。「どうぞ一緒に、『映画の明るい未来』を実感しましょう!」と、林ディレクターは開会の挨拶を締めくくった。

opceremony_2a.jpg 続いて、市山尚三東京フィルメックスプログラム・ディレクターが、今年のコンペティション部門に出品された10作品を紹介した。次に、審査員が舞台に登場した。台湾の女優チェン・シャンチーさん、フランスの映画評論家ジャン=フランソワ・ロジェさん、イタリアのトロント国際映画祭アジア映画プログラマーのジョヴァンナ・フルヴィさん、今年の東京フィルメックスの特別招待作品として『春風沈酔の夜』が上映される中国の映画監督ロウ・イエさん、そして、日本を代表する映画監督のひとりで、今年の審査委員長を務める映画監督の崔洋一さんである。
審査員を代表して、崔審査委員長が挨拶をした。「私たち審査員にとって、新しい映画と向き合うことは、全知全能の新しい世界と出会うことです。あまり僕の言葉らしくないのですが、『愛と平和』という意味です」と述べてから、「しかし、(コンペティション部門の審査をするということは)私たち審査員の戦いでもあります。この期間、観客の皆様と、私たち審査員一同が、新しい世界を描いてくれる映画と、その作品の世界観を共有できる快感の日々を渡ってほしいと思います。どうぞ、エキサイティングなコンペティションを楽しんでください」と挨拶を締めくくった。

opceremony_3a.jpg 次に、開会式に続いて上映される特別招待作品『ヴィザージュ』のツァイ監督と、この作品に出演した女優で、今年の審査員でもあるチェンさんが登壇し、挨拶を述べた。
「『ヴィザージュ』は、私の長編映画の第10作目にあたる作品です。(同じく)第10回の東京フィルメックスで今作を上映していただくことを、とても嬉しく思います」とツァイ監督は語った。続けて、「『ヴィザージュ』は、些か難解な映画ですので、観客の皆様は、少し試されることになるかもしれません。どうぞ映画の途中で席を立たないでください」と話し、場内の笑いを誘った。観客の反応に、ツァイ監督も笑顔を浮かべながら、「『ヴィザージュ』は、映画を心から愛する皆様のために撮った作品です」と締めくくった。
次に、チェンさんが挨拶をした。チェンさんは、ツァイ監督の2006年の作品『黒い眼のオペラ』に出演しており、この映画が第7回東京フィルメックスで上映されたときは、ゲストとして来場している。チェンさんは、そう前置きをしてから、「私にとって東京フィルメックスは、最も親しみを感じる素敵な映画祭です。このたび、ツァイ監督と共にこうしてフィルメックスに戻ってくることができて、本当に嬉しいです。そして、今回は審査員として参加させていただきます。この仕事をしっかりとやり遂げて、映画のために尽くしたいと思います」と語った。

拍手と笑いの絶えない開会式が終了したあとは、特別招待のオープニング作品『ヴィザージュ』の上映に移った。コンペティション部門の最優秀作品賞、審査員特別賞コダック VISION アワード、そして、観客賞は、11月29日に有楽町朝日ホールでおこなわれる閉会式にて発表される。


(取材・文:川北紀子/写真:米村智絵、秋山直子)

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投稿者 FILMeX : 2009年11月22日 20:00



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