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2009年11月25日 『蘇りの血』舞台挨拶

yomigaeri_1.jpg 11月25日、有楽町朝日ホールにて『青い春』『空中庭園』の豊田利晃監督の待望の最新作『甦りの血』が特別招待作品として上映された。それに伴い、上映前に豊田監督と主要キャスト4人による舞台挨拶が行われた。『甦りの血』は歌舞伎や浄瑠璃の演目となっている「小栗判官」の説話からインスピレーションを受けた「甦り」の物語。広大な自然と壮大な音楽の融合させ、不思議な死生観を描いたファンタジー・ドラマである。

まず、主役のオグリを演じた元BLANKEY JET CITYのドラマー、中村達也さんが挨拶を行った。「僕は普段、ドラムを叩いている者なのですが、こういった映画で主役という重要な役を頂きありがとうございました。役者ではないんだけれど、なんか必死こいて演じているんで、お楽しみください」音楽のライブ会場とは違った舞台ということか、緊張の面持ちで話した。

yomigaeri_6.jpg ヒロインのテルテを演じた草刈麻有さんは「この日を本当に楽しみにしていたので嬉しいです。皆さんぜひ楽しんでご覧ください」と初々しい笑顔を見せた。また大王役の渋川清彦さんが「再び豊田さんの映画が世間の目に触れることが僕はとても嬉しく思っています」と話すと、和尚役のマメ山田さんは「久しぶりに豊田監督の映画でございますので、その辺をごゆっくりお楽しみいただけたらと思います」と喜びの表情で語った。豊田監督は「マイケル・ジャクソンの『This
is it』よりも『甦りの血』を観に来てくれて本当に嬉しく思います」と挨拶し会場を和ませた。

ミュージシャンである中村さんはオグリ役を演じるにあたり「僕は役者じゃない。どういう気持ちでカメラの前に立ったらいいんだろうとか、毎日考えていました。でも(演じるというよりも)自分のままでやっていました」と撮影時の心境を語った。草刈さんは「テルテという人はとても一途な女の子なので、そこは自分と似ているなと思ってやりやすかったというのはあります」と話す。

yomigaeri_3.jpg 豊田作品常連の渋川さんに豊田監督の印象について伺うと「変わっていないです」とキッパリ。撮影時の豊田監督ついては「掛け声はとにかくでかいです。それでこっちもやっぱりピリッとくる。それは相変わらずです」と厳しい撮影現場をうかがわせた。マメ山田さんは自然の中での撮影現場について、一面硫黄の匂いが立ち込め、携帯も繋がらない大変な場所だったと苦労を語った。

最後に豊田監督からこの作品の見所を聞くと、「去年の夏に青森県の下北半島で10日間で撮影した映画です。うち4日が徹夜で実質2週間なんですが。自然の神々しい力だとか、人間がもっている力、達也さんが体現しているような心の奥底に眠っている力を見てください」と力強い表情で話した。

『甦りの血』は12月19日より渋谷ユーロスペースにて公開となる。豊田監督、4年ぶりにして、はじめての時代劇への挑戦となる作品を、ぜひ大きなスクリーンで、その独特な世界観とともに楽しんでいただきたい。


(取材・文:水口早苗/写真:村田まゆ)

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投稿者 FILMeX : 2009年11月25日 17:00



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