11月20日(土)〜11/28(日)、開催の模様をデイリーでレポート!
※即日更新予定ですが、遅れる場合もありますので御了承ください。
オープニング・セレモニー、「カナリア」舞台挨拶
林加奈子ディレクターの開会宣言で幕を開けた第5回東京フィルメックス。審査員長のドナルド・リチーの「このラインナップならば優れた作品が選べると確信している」という 挨拶に引き続き、今年のオープニング作品『カナリア』の舞台挨拶が行なわれた。
『黄泉がえり』のヒットも記憶に新しい塩田明彦監督と出演者が壇上に現われると、満員の会場は大きな拍手に包まれた。カルト教団で幼少期を送った少年を演じる石田法嗣は、ちょっと照れつつも「映画は3回目。初主演作です」。彼と一緒にあてどない旅をする少女を演じた石田美月は「どのシーンも私なりに精一杯やったので悔いはありません」としっかり挨拶。少年の母親を演じた甲田益也子は「憧れの母親役をいただいたのに、悲しい役になってしまって。でもプロデューサーと監督が喜んでくれてよかった」。司会者に見どころを問われた西島秀俊は「集中力の高い現場ですばらしい作品に参加できて幸せ。台本をはじめて読んだときから重厚なストーリーだと思っていました。全編が見どころです」と力強く答えていた。
最後に昭和30年代の松竹蒲田で美少女スターとして活躍し今作が68年ぶりの映画出演となる井上雪子がゆっくりとステージに登場「耳が遠いもので」と笑顔で現われた井上さんの側に監督が寄り添い、久々の映画撮影の感想を求めた司会者の言葉を耳元で「楽しんでいただけましたでしょうか」と意訳(?)する場面も。「89歳までいろいろありましたけれども、こんな映画に出られるなんて考えられないほど楽しい思い出になりました。スタッフのみなさんが私を大事して下さって本当にうれしかった」という言葉に、場内からは盛大な拍手が送られていた。
(取材・文:細谷美香)