第5回東京フィルメックス デイリーニュース



11月20日(土)〜11/28(日)、開催の模様をデイリーでレポート!
※即日更新予定ですが、遅れる場合もありますので御了承ください。


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「雲の南へ」朱文監督 Q&A
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 第5回東京フィルメックス2日目。コンペティション部門の中国映画『雲の南へ』が上映された。日本では『ただいま』の脚本家として知られる朱文(チュウ・ウェン)の監督第2作目にあたり、中国最南端にある「雲南」に幻想を抱く中年男の人生の悲哀を描いた人間ドラマ。本映画祭で観られる中国映画はこの1本ということもあって、注目を集めていた作品。









 上映後のティーチ・インに登場した朱文監督は「Q&Aの前に友人を紹介したい」と客席にいた撮影監督の王敏(ワン・ミン)を紹介。「彼は東京で映画を学んでいました。この作品が東京で上映されることになり光栄に思っています」と、日本での上映が特別な意味を持つことを明かし、観客や関係者に喜びの言葉を伝えた。

 「この映画は家族に焦点をあてている。日本にも通じる問題だと思う」「私は若い時、父母の価値観を否定してきた。やがて親の世代の苦しみを理解できるようになり、彼らが異常な時代を生き抜いたことにオマージュを捧げたかった」と同作へ込められた想いを語った。

 また、朱文監督の小説を翻訳したこともあるという観客から「小説家から映画監督へ転向した理由は?」との質問が。思いがけない出会いに大喜びの監督は、「お目にかかれて嬉しい。私の作品を訳してくれてありがとう」と感謝の気持ちを述べると、「作家から映画監督への転職については簡単な理由です。作家としては既に中堅どころの位置に達しているので、原点に戻りたかった。それで映画を撮ることにしました」と熱っぽく話していた。尚、同作は24日にも上映される。

(取材・文 北島恭子)




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