第5回東京フィルメックス デイリーニュース



11月20日(土)〜11/28(日)、開催の模様をデイリーでレポート!
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「終わらない物語」ハッサン・イェクタバナー監督 単独インタビュー
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 デビュー作『ジョメー』でイランに入ってきたアフガン移民の問題を扱ったハッサン・イェクタパナー監督が、今度はイランから外に出ていこうとする違法移民を描いた『終わらない物語』。2作続いて移民問題をテーマに取り上げたイェクタパナー監督は、「移民のことはいつも考えています」と語るほど、頭の中には既にいくつか構想があり、今後も同じテーマで映画を撮りたいと考えているようだ。











 「デビュー作でイラン人が移民する映画を撮ったら国内で非難されるのではないかと思いまして、最初は移民してきたアフガン人の映画を作りました。『終わらない物語』は2作目になりますが、本来ならこれを最初に作りたかったんです。なぜイラン人は移民したいのか? 私はそれについてずっと考えていましたが、最初の映画として撮るにはあまりにもリスクが大きかった。違法移民の場合、歩いて国境を渡ったり、船を使ったり、どこの国でもだいたい同じような方法で移住していますが、彼らがどのようは方法で国を出ていくのかが問題なのではなく、彼らがなぜ移民したいのか、それを大事に撮りたかったんです」

 この映画の主役はイランの違法移民と、彼らを撮影するドキュメンタリー監督とカメラマン。彼らのカメラは、様々な理由で国外へ逃げようとする人々の現実を見せていく。 「実際にこれをドキュメンタリーとして撮ることは不可能です。まずイランの国内ではドキュメンタリー映画を見せる場が少ないですし、他の国での上映も難しくなります。ですからドキュメンタリーというスタイルに近づけながら、移民の痛みや苦しみを表現しました。素人を使ったり、カメラの移動を少なくしたり…、すべてドキュメンタリーっぽく撮ったんです。
 映画は色々な所を簡単に旅ができて、人の心に訴え、平和を広げてくれるものだと思っています。ですから映画を一つの道具として使えば、伝えることが困難な問題も表現しやすくなるのです」

(取材・文:北島恭子)




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