2006年11月19日
『叫(さけび)』舞台挨拶
雨と寒気に見舞われた日曜日となったが、黒沢清監督最新作である『叫(さけび)』の上映を控えた場内は、多くの人々の熱気に包まれていた。開映前の舞台挨拶には、黒沢清監督と主演の役所広司が登場。
満場の拍手の中、黒沢監督、続いて役所広司が舞台に上った。
客席を埋め尽くす人々に感謝を述べた後「これまで僕は、役所さんとの映画を多く撮ってきた一方、幽霊の出る映画も沢山撮ってきました。そこで今回は、役所広司さんと幽霊を正面から激突させました。役所さんファンと幽霊のファンの両ファンの方々に楽しんで欲しいです」という黒沢清監督の言葉で、客席に笑いが起こった。
これを受け、主演の役所広司も「黒沢監督との作品も7本目となります。撮影現場は相変わらず<黒沢監督らしく>淡々と静かに澄んでいました。ただ、僕が幽霊に怯えて叫び続ける声だけが、(現場では)うるさかったと思います」と、タイトルに掛けた挨拶で再び客席に笑いを誘い「ホラー映画に参加できた事を嬉しく思います。ただのホラー映画ではなく、黒沢監督らしい、怖い映画になっていると思います」と締め、不気味な雰囲気漂う作品の上映前とは思えない和やかなムードの中、舞台挨拶は無事に終了した。
(取材・文:野口友紀)
投稿者 FILMeX : 2006年11月19日 17:00