第9回東京フィルメックスのオープニングセレモニーが、初日の11月22日に有楽町朝日ホールで行われた。「継続こそが力」という林 加奈子東京フィルメックスディレクターによる力強い開幕宣言に始まり、これまでフィルメックスをあたたかく見守ってきてくださった野上照代審査委員長ら、各国からの多彩な審査員を迎え、9回めを迎える同映画祭が開幕した。
林ディレクターは、「9回まで続けてきて学んだことは、見る側からの熱い気持ちを伝える、よい映画を紹介するためのゆるぎないビジョンと信念、何よりもあきらめないこと、この3つです。今年も素晴らしい39本の映画をご紹介することができました」と客席い向けて報告し、観客をはじめ映画祭を応援するすべての人々に感謝の意を述べた。「これから9日間、一緒にフィルメックスの日々を楽しく元気に過ごしましょう」と呼びかけた後、本映画祭の開幕を宣言した。
続いて、市山尚三東京フィルメックスプログラム・ディレクターによる、フィルメックス・コンペティション10作品の紹介があり、「ル・モンド」のジャーナリストで映画評論家であるイザベル・レニエさん、香港の俳優レオン・カーファイさん、サンパウロ国際映画祭代表のレオン・カーコフさん、韓国のソン・イルゴン監督、元黒澤プロ プロダクション・マネージャーの野上照代さんら審査員が登場。野上審査委員長が審査員を代表して挨拶した。
野上審査委員長は、「名誉なことと思い、審査員を引き受けたが、(これだけのメンバーのなかで)後悔しております」と会場を沸かせた後、「素晴らしい作品が集まっている10本のなかから受賞作品を選ぶのは難しいと思います。皆さんの期待を裏切らないように、フィルメックスの名誉を守るように一生懸命やりたいと思っております」とにこやかに、しかし緊張感にあふれた思いを語った。
最優秀作品賞・審査員特別賞(コダックVISIONアワード)・アニエスベー・アワード(観客賞)は、30日のクロージングセレモニーにて発表される予定。
第9回東京フィルメックスは、11月22日から30日までの9日間、有楽町朝日ホールのほか、東京国立近代美術館フィルムセンター大ホール、シネカノン有楽町1丁目、12月6日にアテネ・フランセ文化センターにて開催される。コンペティション作品のほか、特別招待作品12作品と、フィルムセンターとの共催による特別企画として、蔵原惟繕監督特集、ブラジルのジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ監督の特集上映が行われる。また、期間中には上映プログラムのほかにも、国内外の映画人を招いたトークイベントが、有楽町朝日スクエア、フィルムセンター大ホール、MARUNOUCHI CAFEで開催される。
(取材・文:宝鏡千晶)
投稿者 FILMeX : 2008年11月22日 19:00