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2008年11月24日 トークイベント「坂井真紀の魅力を語る」

maki_1.jpg 11月24日、『ノン子36歳(家事手伝い)』の上映に先駆け、有楽町朝日ホール11階スクエアにおいてトークイベントが行われた。会場には溢れんばかりの人が訪れ、熊切和嘉監督と主演の坂井真紀さんが語るお互いの魅力や、映画制作における秘話などに耳を傾けた。途中、客席に潜んでいた特別招待作品監督から質問が飛んだり、熊切監督と坂井さんにゆかりのあるスペシャルゲストが登場したりと思いがけない出来事の連続に観客は大いに沸いた。

林 加奈子東京フィルメックスディレクターが「坂井真紀の魅力を語る」というイベントタイトルについて「語るまでもなく一目瞭然のことなのですが」と切り出すと、はずかしそうな笑顔を見せた坂井さん。最初の質問として、林ディレクターから熊切監督はどのような人なのかと尋ねられると、「映画がとにかく大好き。そしてお酒を飲むと長い」と語り、お酒の席で監督に映画の話を聞いては、勉強のためにと映画のタイトルを教えてもらい携帯にメモしていること、その様子を見た監督から「僕が(DVDを)貸しますよ」と言われたがまだ一度も貸してもらっていない話などを披露した。

maki_2.jpg 続いて、さっそくトークイベントの本題である坂井さんの魅力について熊切監督は「坂井さんは割と華奢なイメージですが、常に全身で「オラァ」とぶつかってくる感じがあって、そういうところがすごく好きです。それから思いっきり笑うところも好きです」とストレートな答え。林ディレクターは坂井さんがテレビCMなどで見せるごく自然な主婦の姿や今年公開された『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』で激しい暴力にさらされる女の役などを例に挙げ「いろいろな役を幅広く、しかも何気なくこなす。『ノン子36歳』で見せる何気なさは本当にすごい」と賞賛。そうした役の選び方について話が及ぶと「監督でも脚本家でもプロデューサーでも、作りたい物をちゃんと作っている方に魅かれる」と坂井さん。今回の『ノン子36歳』においても、熊切監督の人柄に魅かれたところが大きいとし、プロット段階での出演の打診に「ぜひやりたい」と返事をしたとのこと。それにより熊切監督は坂井さんありきの企画として、脚本を当て書きしたという。

さらに、タイトルが決まった経緯にも触れ「当初は『ひよこ協奏曲』という仮タイトルだったが、どうもしっくりこない。酒を飲みながら坂井さんと話をしているときに『何かいいタイトルはないですか』と聞いたら、冗談だと思うけど『ノン子36歳』とぼそっと言った。それが面白くて心に残ったので、脚本担当に相談し(家事手伝い)をつけたらどうだろうということになりました」と熊切監督。その時のタイトルの発想については『アイコ十六歳』からきていることを坂井さん自ら暴露。それに対し、林ディレクターは「16歳など、高校生をフォーカスした映画はたくさんあるが、四捨五入したら40歳になる36歳の女性をフォーカスした映画はなかなかありません。私が東京フィルメックスをやろうと決めたのがちょうど36歳の時。30代は体力も気力も充実していて希望に満ち溢れている」と自身の30代を振り返りながら30代の女性がもつ可能性や魅力について語った。

maki_3.jpg また、せっかく熊切監督と坂井さんを身近に感じる機会なのでとQ&Aの場を設けると、真っ先に手を挙げたのはなんと特別招待作品『ベガス』のアミール・ナデリ監督。熊切監督に「これまでの作品と今回の作品で特に変わったところはあるか。坂井さんとこれまで一緒に作品を作ったことがあるか」と質問した。それに対して熊切監督は「これまで、抜け切れなかったところが、今回は抜け切れた気がする。坂井さんと一緒にやるのは『青春☆金属バット』『フリージア』についで3回目。しかし今回が一番坂井さんに近づいて撮っています」と答えた。

満員の一般客に交じり立ち見をしていたナデリ監督の存在を知り、ざわつく会場内でさらに、林ディレクターが「今日は熊切監督と坂井さんの応援団がきています。我らが東京フィルメックスが頼りにしているアニキです」と紹介すると、寺島進さんが登場。会場からは歓声が上がった。東京フィルメックスのなじみの顔でもある寺島さんは『鬼畜大宴会』で強烈なデビューを飾った熊切監督の第2作『空の穴』に7年前に出演。坂井さんとは現在テレビCMで共演しコミカルな夫婦役を演じている。

maki_4.jpg 「ノン子16歳、あ、間違えた。(場内爆笑)『ノン子36歳』を見にきました」という寺島さんに林ディレクターが「確かに、坂井さんは16歳くらいのツヤツヤの美しさ」とフォローし、続けて坂井さんの魅力について聞くと「“魅力”という言葉を辞書で調べたら『人を引き付ける不思議な力』と書いてありました。まさにそんな力がある。本当にまっすぐで素直で透明感がある素敵な人」と寺島さん。熊切監督の魅力については「坂井さんと共通する良さがある」とし、さらに「理屈ぬきに大好き。監督としても人としても信用できるから、現場にいても心を裸にできる。自分をさらけ出さないと『何かごまかしていませんか』とすぐにウソがばれますからね」と話した。会場では言葉少なにシャイな様子を見せる熊切監督からは想像しにくい、現場の様子に林ディレクターが『ノン子36歳』撮影時の熊切監督について尋ねると「本当に微妙な調節にこだわります」と坂井さん。リアルとバランスを追求する現場での監督の姿勢が浮かびあがった。

最後に映画の見所について熊切監督は「本当に坂井さんをはじめ役者さんたちがいい顔をしているのでそこを楽しんでいただけたら」と話し、坂井さんは「撮影の近藤龍人さんがワンカットワンカット魂を込めて撮ってくれたので、すごく画がきれいなところを見てほしい」とし、また今後について「ぜひ、熊切監督の作品で寺島さんとの夫婦役がやりたい」と話すと場内は拍手喝采となった。林ディレクターは「映画の未来について話ができるのが東京フィルメックスのいいところ。『ノン子36歳』の上映の成功はもちろんのこと、熊切さん、坂井さんの明るい未来も楽しみにしています」とまとめ、トークイベントは和やかな雰囲気のなか幕を閉じ、イベント参加者たちは映画への期待を胸に『ノン子36歳』の上映会場へと足を運んだ。

なお、今回のイベントを盛り上げてくれたアミール・ナデリ監督の『ベガス』は11月25日(火)21:15よりシネカノン有楽町1丁目にて、26日(水)18:30より有楽町朝日ホールにて上映される。また、28日(金)にはゲスト寺島進さん、西島秀俊さん、聞き手関口裕子さんによるトークサロン「それぞれのシネマ」(定員に達したため受付終了)が丸の内カフェにて開催される。

(取材・文:田中美和)


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投稿者 FILMeX : 2008年11月24日 18:20


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