11月29日、有楽町朝日ホールにて特別招待作品『愛のむきだし』が上映された。上映前には、園子温監督と主要キャスト4名による舞台挨拶が行われた。『愛のむきだし』は上映時間237分という壮大なスケールのラブストーリーだが、上映時間の長さにもかかわらず、会場には若い女性を中心にたくさんの観客が詰めかけ、場内はただならぬ熱気で満ちていた。
園監督らがステージに現れるや否や、会場からは一斉に歓声があがった。まず、園監督から「上映時間は4時間ですが、体感時間は一瞬ですから心配なさらず最後までお楽しみください」とのメッセージに続いて、本作の中心となるユウとヨーコを演じた2人の紹介がされた。ヨーコ役の満島ひかりさんは、「こんな素晴らしい映画に参加できたことを嬉しく思います。映画の撮影当時、私は21、22歳でしたがこれまで生きてきた自分のパワーを使って全身全霊で演じられたと思っています」とコメント。続いてユウ役の西島隆弘さんは「監督、僕を映画初出演させてくれて、ありがとうございます!(と監督に向かって頭を下げる)この作品を通して、自分が愛する人に愛されるために、どれだけ人は本能をむきだしにできるのか、ということを考えさせられました。結婚していなくても、付き合っていなくても好きな人を抱きしめたい、チューしたい、という思いが全面にすごく出ています。ご覧になる皆さんの恋愛観と照らし合わせてみて欲しい」とやや興奮気味に語った。
そしてユウとヨーコを翻弄する女を演じた安藤サクラさんは「(映画祭という)このような機会に観ていただけて光栄に思います。短い時間ですが、えー…短い、時間ですが(と強調)、この作品に詰まったエネルギーと愛を、受け止めて欲しいと思います」とコメント。最後に、ユウとヨーコの義理の母となる奔放な女性カオリを演じた渡辺真起子さんは低い声で開口一番、「すみません。昨日飲み過ぎて声、ガラガラです」と言うと場内からどっと笑いが起きた。「これだけ思う存分、エネルギーをはき出しながら演じることはこれまでなかったんですが、4時間は本当にあっという間です」とコメント。引き続きフォトセッションに入ったが、キャスト全員で決めポーズをあれこれ試してみるなど、仲睦まじい様子が伝わってくる一幕も。
なお『愛のむきだし』は来年2009年1月より、渋谷・ユーロスペースにてロードショーが決定している。
(取材・文:大坪加奈)
投稿者 FILMeX : 2008年11月29日 17:00