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2008年11月23日 『ウェルカム・トゥ・サンパウロ』舞台挨拶

wtsp1123_1.jpg 特別招待作品『ウェルカム・トゥ・サンパウロ』が上映された。この映画はサンパウロ国際映画祭が製作した、世界各国の監督によるオムニバス作品。ジャ・ジャンクー監督『河の上の愛情』、マノエル・デ・オリヴェイラ監督『可視から不可視へ』という2本の短編も併映された。上映前の舞台挨拶には、第9回東京フィルメックスの審査員である、サンパウロ映画祭代表のレオン・カーコフさん、オープニング作品『リーニャ・ヂ・パッシ』でウォルター・サレス監督と共同監督をつとめたダニエラ・トマス監督が登壇。お二人とも、それぞれオムニバスの一本を監督している。

林 加奈子東京フィルメックスディレクターの紹介を受けてカーコフさんとトマス監督が舞台に現れると、会場は大きな拍手に包まれた。「オリヴェイラ監督、ジャ・ジャンクー監督の短編とともに上映されることをとても嬉しく思います」とカーコフさん。『可視から不可視へ』もサンパウロ映画祭の製作で、カーコフさんはプロデューサーとして、また出演者としても関わっている。続いてカーコフさんは「東京での上映が実現したことを大変光栄に思っています。今年は、ブラジルへの日本人の移住が始まって100年という記念の年で、日本から参加された吉田喜重監督が、当時の日系移民の状況についてこの映画の中で描いています。また、ここにいらっしゃるダニエラ・トマス監督がメランコリアの傑作というべき素晴らしい作品で参加してくれました」とメッセージを述べた。

wtsp1123_2.jpg カーコフさんからマイクを受け取ったトマス監督は、満面の笑顔で「私の関わった2本の作品が、東京フィルメックスで上映されることを光栄に思います」と挨拶した。「『ウェルカム・トゥ・サンパウロ』の中の私が監督した『オデッセイ』という作品は、サンパウロのバイパスをドライブするという物語。サンパウロと同様、この東京も個性的な高速道路を持っています。実は、20年前に東京を訪れたときに渋滞に巻き込まれて三時間も車の中で過ごしたことがありました。もちろん渋滞なんて辛いことなのだけど、車に閉じ込められたまま、窓の外ではどんどん日が落ち、ビルに明かりが灯っていくのを見ているのはどこか楽しい経験でした。この作品には、そんなクレイジーな都会の生活の中での私の愛が表現されているんです」と、地球の裏側にある二都市をトマス監督ならではの視点で結びつけてみせた。

この作品は11月26日(水)12:30より有楽町朝日ホールにて再び上映される。また同日14:50より、朝日ホール11階スクエアにて「『ウェルカム・トゥ・サンパウロ』のできるまで」と題し、カーコフさん、トマス監督に加え、吉田喜重監督と女優の岡田茉莉子さんをゲストに迎えてのトークイベントが開催される(入場無料)。

(取材・文:花房佳代)

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投稿者 FILMeX : 2008年11月23日 14:30


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