2007年05月14日
第60回カンヌ国際映画祭コンペティション部門ラインアップ
今年で60回の節目を迎えるカンヌ国際映画祭が、5月16日から27日まで開催される。
もっとも注目を集めるコンペティション部門では、過去にカンヌやベネチア、ベルリンなどでの受賞実績のある巨匠や人気監督がすらりと並び、そこに気鋭の若手が挑む。
コンペティション部門は、全22本(他、コンペ外1本)。
このうち、昨年の同映画祭で審査委員長を務めたウォン・カーウァイの「My Blueberry Nights」はオープニング作品として上映される。主演にジュード・ロウと歌手のノラ・ジョーンズを迎え、全編を英語で撮影した野心作だ。
史上初の3度目の受賞を狙うエミール・クストリッツアの他、クエンティン・タランティーノ、ガス・ヴァン・サント、コーエン兄弟などパルムドール経験者が並ぶ。
三大映画祭常連のキム・ギドクは、意外にもこれが初めてのカンヌ映画祭コンペ参加となる。同じ韓国からは「オアシス」でベネチア映画祭の監督賞や新人俳優賞(ムン・ソリ)に輝いたイ・チャンドンが五年ぶりの新作「Secret Sunshine」で臨む。
アレクサンドル・ソクーロフは、「Alexandra」で五度目のコンペ参加となる。
コンペ初参加組の中では、ハンガリーの鬼才タル・ベーラによる「The Man From London」や、第5回東京フィルメックスで「アヴァニム」が上映されたラファエル・ナジャリの「Tehilim」も注目だ。
日本からは、河瀬直美の「殯(もがり)の森」(6月公開予定)が上映される。10年前に「萌の朱雀」でカメラドールに輝き、一躍世界の注目を集めることになった縁起のよい舞台で、再びの栄光を目指す。コンペティション上映作品の中でも、最後の上映となる。
これらの作品を審査するのは、「クイーン」でヘレン・ミレンをアカデミー賞最優秀主演女優賞に導いたスティーブン・フリアーズが審査委員長を務める9人の審査員。
他には香港のマギー・チャン、オーストラリアのトニー・コレット、カナダのサラ・ポーリーなど、女優が目立つ顔ぶれとなっている。
コンペティション部門のラインアップ(短編、学生映画部門は除く)は以下の通り(07年5月14日現在)。
◇オープニング
My Blueberry Nights(ウォン・カーウァイ)香港
◇クロージング
The Age of Darkness(ドゥニ・アルカン)カナダ *コンペ外上映
◇コンペティション
An Old Mistress (Une Vieille Maitresse)(カトリーヌ・ブレイヤ)フランス
The Love Songs (Les Chansons d'amour)(クリストフ・オノレ)フランス
The Diving Bell and the Butterfly(ジュリアン・シュナベール)フランス
Auf Der Anderen Seite Des Lebens(ファティ・アキン)トルコ
Breath(キム・ギドク)韓国
No Country for Old Men(ジョエル&イーサン・コーエン)アメリカ
Zodiac(デビッド・フィンチャー)アメリカ
We Own the Night(ジェームズ・グレイ)アメリカ
殯の森(河瀬直美)日本
Promise Me This(エミール・クストリッツァ)セルビア
Secret Sunshine(イ・チャンドン)韓国
4 Months, 3 Weeks and 2 Days(Cristian Mungiu)ルーマニア
Tehilim(ラファエル・ナジャリ)フランス
Silent Light(カルロス・レイガダス)メキシコ
Persepolis(Marjane Satrapi and Vincent Paronnaud)フランス
Import/Export(ウルリッヒ・ザイドル)オーストリア
Alexandra(アレクサンドル・ソクーロフ)ロシア
Death Proof(クエンティン・タランティーノ)アメリカ
The Man From London(タル・ベーラ)ハンガリー
Paranoid Park(ガス・ヴァン・サント)アメリカ
The Banishment(アンドレイ・ズビャギンツェフ)ロシア
◇コンペティション審査員
スティーブン・フリアーズ / 審査委員長 / 英国、監督
マギー・チャン / 香港、女優
トニー・コレット / オーストラリア、女優
マリア・デ・メディロス / ポルトガル、女優・監督
サラ・ポーリー / カナダ、女優・監督
マルコ・ベロッキオ / イタリア、監督
オルファン・パムク / トルコ、作家
ミシェル・ピコリ / フランス、俳優・監督
アブドラマン・シサコ / モーリタニア、監督
以上
投稿者 FILMeX : 2007年05月14日 17:59