上映作品

『ベトとナム』
Viet and Nam

東京フィルメックス・コンペティション

Still by nicolas-graux

作品詳細

ベトナム、フィルピン、シンガポール、フランス、オランダ、イタリア、ドイツ、アメリカ / 2024 / 129分
監督:チューン・ミン・クイ( TRUONG Minh Quý )

ベトとナムは20代の炭鉱労働者の青年。彼らは粉塵まみれの画一的な職業生活を送りながら、地下何百メートルの暗闇の中で密かな愛を育んでいる。彼らは共に戦争で父を亡くしており、ナムと彼の母は父のベトコン時代の古い同志バと共に、まだ半分埋まった兵器が点在する森に覆われた中央高原へ父の遺骨を探す旅に出る。ベトは彼らに同行しつつ、ベトナムから密航し国外へ脱出することを計画しているナムの身を案じている……。20年に及ぶ戦争による深い傷がまだ色濃く残る2001年のベトナムを舞台に、恋人同士である二人の炭鉱労働者の姿を通して、戦後のベトナムにおいて、若くそしてクィアであること、そして更にはベトナムという国そのものが抱える困難と苦悩を描く。催眠術のように優しく官能的に撮影された美しい作品でありつつも、その表層の下に眠る深く暗い影の部分を炙り出そうとする象徴性に満ちた作品。長編2作目『樹上の家』(19)で注目を集めた新鋭チューン・ミン・クイの3作目の長編である本作は、カンヌ映画祭のある視点部門で初上映された。

Still by nicolas-graux

監督:チューン・ミン・クイ( TRUONG Minh Quý )

ベトナムの中部高原の小さな町、バンメトート出身。あちこちに住みながら活動し、故郷の風景や子供の頃の記憶、ベトナムの歴史的な文脈を引き出しながら、記憶と現在の瞬間の中で、ドキュメンタリーとフィクション、個人的と非個人的の中間的な物語や映像を制作している。映画作品においては、現実的な即興と抽象的な概念やイメージを組み合わせる実験を行ってきた。

2012年に釜山映画祭アジアン・フィルム・アカデミーに、2016年にベルリン映画祭ベルリナーレ・タレンツに参加。長編第2作目『The Tree House』は第72回ロカルノ映画祭に出品。同作は第57回ニューヨーク映画祭、ウィーン映画祭、ナント三大陸映画祭、ロッテルダム映画祭、CPH:DOX、ヨーテボリ映画祭などに出品。2021年、フランス語短編作品『Les Attendants』がベルリン映画祭短編コンペティション部門に出品。

上映スケジュール

11月23日(土)21:00 -

ヒューマントラストシネマ有楽町

11月28日(木)15:15 -

丸の内TOEI

ゲスト

バオ・ズイ・バオ・ディン(出演)

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