上映作品 - コンペティション

左利きの少女(原題)
/ Left-Handed Girl

11月24日(月)17:45 -朝日

ゲスト

ツォウ・シーチン(監督)

Q&Aは英語/日本語で進行します。

チケット購入

© 2025 LEFT-HANDED GIRL FILM PRODUCTION CO., LTD ALL RIGHTS RESERVED

アメリカ、イギリス、フランス、台湾 / 2025 / 108分 /
監督:ツォウ・シーチン(TSOU Shih-Ching)
配給:スターキャット アルバトロス・フィルム

シングルマザーとその2人の娘が、生活再建のために台北の夜市で麺屋台を始める。反抗的でありながらも将来への不安や焦燥を抱える長女と、祖父に「悪魔の手」と言われたために利き手である左手に罪悪感を覚える幼い次女。彼女たちがそれぞれの困難や誘惑に直面しながら、家族の絆を保とうともがく姿を描いた活気ある人間ドラマ。

台北の裏側の日常、観光客の目に触れない喧騒と色彩、そして音。台北の活気ある街並みを舞台に展開されるのは、主人公のイージンと彼女の家族の物語だ。一家は経済的な困難に直面し、母親の抱える借金が彼女たちの生活に重くのしかかっている。映画はロケーションの持つ力強いエネルギーを背景に、困難に直面する母娘の姿を共感に満ちた眼差しで誠実に捉え、普遍的な人間ドラマへと昇華させる。リアリズムの枠組みの中で、生活のディテールの積み重ねと自然な演技を通じて、人間存在の機微と、厳しい生活の中でも希望を模索する心の揺らぎを力強く描ききった作品だ。本作の監督ツォウ・シーチン(鄒時擎)はショーン・ベイカーと『テイクアウト』(2004)を共同監督した後、プロデューサーとしてベイカーの諸作品に関わってきており、本作が単独での監督デビュー作となる。また、ベイカーはこの作品においては脚本、編集、プロデュースを務めた。本作はカンヌ映画祭の批評家週間にて初披露され、2026年に行われる第98回米国アカデミー賞国際長編映画賞への台湾代表作品にも選出されている。

© Ori Media

監督:ツォウ・シーチン(TSOU Shih-Ching)

台湾系アメリカ人の映画監督、プロデューサー、俳優。2004 年、ショーン・ベイカーと共同監督した『テイクアウト』で監督デビューを果たす。以降、ベイカー作品のプロデューサーとして『スターレット』(2012 年)、『タンジェリン』(2015 年)、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(2017年)、『レッド・ロケット』(2021 年)などに携わる。2025 年には、初の単独監督作Left-Handed Girl』がカンヌ国際映画祭批評家週間部門でプレミア上映され、国際的な注目を集めた。

監督ステートメント

『左利きの少女』を東京フィルメックスの観客の皆さまにご覧いただけることをとても光栄に思います。大胆でパーソナルなアジア発の映画を支援し続けているこの映画祭に感謝いたします。

この作品は、私にとってとても個人的な物語です。映画は、ひとつの鮮明な記憶から生まれました。祖父がかつて「左手は“悪魔の手”だから使ってはいけない」と言った、その言葉です。『Left-Handed Girl』の制作を進める中で、私はさまざまな人の物語を集めました。友人、家族、そして見知らぬ人たちからも。中でも映画に登場する、ある“ひねり”の部分は、似たような経験をした友人の話から生まれました。そのエピソードは、思いがけない形で私の心に深く響いたのです。私は、伝統的な家族の中に流れる緊張に惹かれています。社会からの批判や拒絶を恐れるあまり、秘密が何年も埋もれてしまう——そんな現実を見つめたいと思いました。だからこそ、この“ひねり”を物語に取り入れたのです。一見ごく普通の家庭に見えても、その奥には深い秘密が隠されているのです。

上映スケジュール

11月24日(月)17:45 -

有楽町朝日ホール

ゲスト

ツォウ・シーチン(監督)

Q&Aは英語/日本語で進行します。

チケット購入