上映作品

『白衣蒼狗』★
Mongrel(白衣蒼狗)

東京フィルメックス・コンペティション

スペシャル・メンション

作品詳細

台湾、シンガポール、フランス / 2024 / 128分
監督:チャン・ウェイリャン
Director: CHIANG Wei Liang
共同監督:イン・ヨウチャオ
Co-Director:YIN You Qiao

タイからの不法移民の青年オームは台湾の山岳地帯の田舎町で老人や障害者たちの介護の仕事をしている。東南アジア各地からの不法移民たちを闇で働かせているボスの下、移民労働者たちの仲介役でもある彼は、ボスと移民たちとの間で板挟みになることも多い。そしてある日、彼が介護をしている老女から、重度の障害を持つ彼女の息子について、ある相談を持ち掛けられる……。現代の奴隷制度ともいえる環境の中で暮らす移民労働者たちの絶望的に悲惨な状況や、彼らの直接のボスよりもさらに上の階層の闇社会の権力によって構築された搾取のシステムの在り方が、説明を極力排した厳密な筆致で描かれていく。フレーム内外で見事に制御された絵画的な構図や、長い沈黙を恐れない編集のリズムの調整も秀逸で、長編監督1作目にして見事な完成度に達している。ホウ・シャオシェンとリャオ・チンソン(ホウ作品の長年の編集者)が製作者として参加。カンヌ映画祭の監督週間で初上映され、初長編作品を対象とした賞、カメラドールのスペシャル・メンションを授与された。

監督:チャン・ウェイリャン( CHIANG Wei Liang )

シンガポール出身。南洋理工大学でコミュニケーション学の学士号、国立台北芸術大学で映画演出の修士号を取得。過去10年間、台湾を拠点に活動し、現代アジアにおける東南アジア人の移民やディアスポラに焦点を当てた作品を制作している。

短編監督作品「Anchorage Prohibited」で、第66回ベルリン映画祭でアウディ短編映画賞を受賞。短編作品「Nyi Ma Lay」や、第76回ヴェネチア映画祭に出品されたVR短編映画「Only The Mountain Remains」は、移民の困難な生活をテーマにしており、これまでの批判的な視点を引き継いでいる。

また、タレンツ・トーキョー、ロカルノ映画祭フィルムメイカーズ・アカデミー、FIDキャンパス、そしてゴールデン・ホース・フィルム・アカデミーの修了生であり、侯孝賢監督の指導も受けている。

上映スケジュール

11月26日(火)21:00 -

ヒューマントラストシネマ有楽町

11月28日(木)18:45 -

丸の内TOEI

ゲスト

チャン・ウェイリャン(監督)、イン・ヨウチャオ(共同監督)

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