上映作品

『家族の略歴』★
Brief History of a Family(家庭簡史)

東京フィルメックス・コンペティション

作品詳細

中国、フランス、デンマーク、カタール / 2024 / 99分
監督:リン・ジェンジエ( LIN Jianjie )

高校の校庭での懸垂中に、内向的なシュオは、同級生のウェイが投げたバスケットボールが当たって落下し、足を負傷する。罪悪感を感じたウェイは、シュオに自宅でテレビゲームをしようと誘う。ウェイの両親と夕食を共にする中、シュオは母親が亡くなったことを明かし、アルコール中毒の父親から受けた虐待をほのめかす。しかしこれはウェイの両親の共感を得るための、シュオにとって最初の巧妙なステップだった。徐々にシュオはウェイの裕福なアパートで過ごす時間を増やし、確実に彼の両親の信頼を勝ち取っていく……。本作が長編デビュー作となるリン・ジャンジェは、見事な語り口の正確さで、目立たない侵入者が潜り込んだ中流階級家庭内における、変化する力学を分析している。完璧な彫刻作品のように、フレーム内のあらゆる要素を徹底的なコントロール下に置きつつ、巧妙で不可解な曖昧さを保ち、スリラー作品のような緊張感を持続させる手腕は見事としか言いようがない。サンダンス映画祭で初上映され、その後にベルリン映画祭でも上映された。

監督:リン・ジェンジエ( LIN Jianjie )

バイオインフォマティクス学で学士号を取得後、人間の存在について解読したいという情熱から映画制作の道を歩み始める。ニューヨーク大学ティッシュ芸術学校にて映画制作の修士号を取得。腐敗と虚栄を風刺した短編監督作「A Visit」(15)、法廷での家族の最後の再会を描いた「Gu」(17)は多くの国際映画祭で上映された。長編監督作の前に撮影され、少女の目を通じて人生の厳しさと可笑しさを描いた短編「Hippopotami」は現在ポストプロダクション中である。『家族の略歴』が長編映画デビュー作品である。

上映スケジュール

11月26日(火)18:40 -

丸の内TOEI

ゲスト

リン・ジェンジエ(監督)

11月28日(木)21:30 -

ヒューマントラストシネマ有楽町

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