上映作品

『ユリシーズ』★
Ulysses

メイド・イン・ジャパン

© ikoi films

作品詳細

日本、スペイン / 2024 / 73分
監督:宇和川輝( UWAGAWA Hikaru )

この映画は3部に分かれている。第1部では、マドリードで8歳の息子と2人きりで暮らすロシア人の母親に私たちは出会う。続く第2部では、一人の日本人男性がバスク人の若い女性と知り合う。2人は共に時間を過ごし、彼女は彼を友人たちに紹介する。そして第3部では、舞台は日本に移され、若い男性がお盆の時期に実家に帰省し、亡くなった祖父の霊を迎えるための準備を祖母と共に進めていく…。本作は、そのタイトルが示す通り、ジェームズ・ジョイスの『ユリシーズ』の形式的なアイデアを取り入れた作品で、更には『ユリシーズ』が大きく依拠しているホメロスの『オデュッセイア』を大まかに翻案したものだという。ただ、無論ここではギリシャの英雄の困難な帰郷の旅がそのまま語られているわけではない。むしろここでは「家」や「帰属」といった概念を巡って各々の物語が展開されており、世界の様々な場所での日常生活の断片が曖昧さを残したまま控えめな筆致で描かれている。本作はマルセイユ国際映画祭で初上映され、続いてサン・セバスチャン映画祭でも上映された。

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監督:宇和川輝( UWAGAWA Hikaru )

スペイン、サンセバスチャンのElías Querejeta Zine Eskolaで フィルムメーキング・コースの修士課程を修了。2023年、サンセバスチャン国際映画祭映画作家助成レジデンスプログラムIkusmira Berriakに選出される。その後、初長編映画『ユリシーズ』がマルセイユ国際映画祭、サンセバスチャン国際映画祭に正式出品される。現在は東京を拠点に映画制作をしている。

上映スケジュール

11月23日(土)16:10 -

ヒューマントラストシネマ有楽町

ゲスト

宇和川輝(監督)、関野佳介(制作)、石井泉(出演)

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