上映作品 - メイド・イン・ジャパン

東北短編集:
「ハーフタイム」「相談」「祝日」
/ Northeastern Shorts Collection: Half-Time, Life Is Snow, Selection

11月26日(水)18:55 -HTC

ゲスト

張 曜元(監督)、徐 梅(プロデューサー)、阿部 力(主演)

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© 張曜元

日本、中国 / 2025 / 83分 /
監督:張 曜元(ZHANG Yaoyuan)

日本を舞台に、中国東北部出身の移民が直面する厳しい現実と差別的待遇を描いた連作短編集。技能実習生、工場労働者、そして非合法な職業といった立場にある彼らが、困難な状況から抜け出そうと奮闘する姿が描かれている。

借金や体罰、故郷への思いなど、心身ともに大きな苦痛を抱えながら、実習先を決める面接選考に臨もうとする中国人技能実習生を追った『ハーフタイム』、弁当工場を不当解雇された際の上司との揉み合いが原因で上司を訴えた男が、事件の担当弁護士と対話する姿を描いた『相談』、そして東京で違法タクシー業に従事する中国出身の元プロサッカー選手の男が、何とか息子をサッカー・クラブへの入団セレクションに合格させようとする姿を描いた『祝日』。いずれも中国の東北部(狭義には遼寧省・吉林省・黒竜江省の三省)出身の人物を主人公に据えて日本で製作された短編作品で、すべての作品に、それぞれ違う男の役柄で阿部力が出演している。法や制度、あるいは人間関係の中で理不尽な状況に追い込まれた彼らがそこから抜け出そうと奮闘する姿が描かれ、いずれの作品も監督の高い演出力を感じさせるものになっている。

© 張曜元

監督:張 曜元(ZHANG Yaoyuan)

1989 年に中国大連生まれ、2014 年から日本へ留学。日本部科学省国費留学生。2024年に東京藝術大学大学院映像研究科博士号取得。短編作品『ハーフタイム』は第 25 回上海国際映画祭、第 7 回平遥国際映画祭、第 46 回モスクワ国際映画祭などに出品。短編作品『相談』は第 8 回平遥国際映画祭にて最優秀短編賞を受賞。長編企画『バイ・マイ・カー』は第 30 回釜山国際映画祭「ASIAN PROJECT MARKET (APM)」で、 Red Sea Film Found賞を受賞。

監督ステートメント

「東北」は私の卒業制作、修士制作の表現テーマでもあり、博士修了作品の『ハーフタイム』、『相談』と『祝日』にも引き継いでいる。日本映画の影響を受けたのもあるが、このテーマには私自身の思いを込めている。私は 2014 年から日本へ留学し、故郷を離れてから 11 年が経過した。他郷が故郷に変わることは決してないが、故郷の存在ももはや他郷へと変わってしまった。記憶の中の故郷は、時間と共に遠ざかり、思い出も薄れてしまった。それゆえ、日本で同じ中国東北出身の人たちに会うと、彼(彼女)らの生い立ちに興味が湧き、深く知りたいと思うようになった。『ハーフタイム』と『相談』では、中国東北出身の技能実習生、残留孤児を主人公に話を展開し、『祝日』では、日本に住んでいる中国東北出身の白タクドライバーの現実問題に焦点を当てている。技能実習制度、日本経済の停滞、多文化共生といった社会の輪郭を背景に、「在日東北人」が日本社会で居場所を探す過程で生まれる選択や逡巡を見つめたい。これがこの短編集の存在意義だと言える。

上映スケジュール

11月26日(水)18:55 -

ヒューマントラストシネマ有楽町

ゲスト

張 曜元(監督)、徐 梅(プロデューサー)、阿部 力(主演)

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