東京フィルメックス25周年の軌跡
TOKYO FILMeX 2007 審査員特別賞受賞作品
香港 / 2007 / 90分監督:ヤウ・ナイホイ( YAU Nai-Hoi )
多くのジョニー・トー作品の脚本を担当してきたヤウ・ナイホイの監督デビュー作『天使の眼、野獣の街』は、容疑者の尾行を専門とする香港警察のユニットを扱った作品だ。映画はこのユニットに新しく加わった女性捜査官ボーの視点を中心に展開される。ターゲットは連続宝石強盗団。ボーはベテラン捜査官ウォンの指導を受け、失敗を繰り返しながらも仲間とともに任務を遂行する。だが、追われるものが追うものに牙をむいた時、事態は急転する……。レオン・カーファイ、サイモン・ヤムといったスター俳優が当たり前のように人混みに紛れている様は80年代香港ニューウェーブの警察ものを彷彿とさせる。また、本部からの指令を受け、最新機器と人間の持つ機知を駆使しつつ、捜査官たちが容疑者を追い込んでいくプロセスは実にリアルだ。脚本の巧みさは言うまでもなく、これだけの設定を構築する演出力は非凡である。
監督:ヤウ・ナイホイ( YAU Nai-Hoi )
11月16日(土)16:20 -
ヒューマントラストシネマ有楽町
ゲスト
韓燕麗(東京大学教授、映画研究者)
11月21日(木)21:00 -