カナダ / 2003 / 99分
監督:ガイ・マディン( Guy MADDIN )
1933年。ブロードウェイで失敗し、一文無しになって恋人のナルシッサとともに故郷のウィニぺグに戻ってきた興行師チェスターは、地元のビール会社が「世界で一番悲しい音楽」を競うコンテストを開こうとしていることを知る。コンテストを主宰するレディ・ヘレン・ポート=ハントリーは、昔チェスターと抜き差しならない関係にあった女性だ。かつての恋人に再会したチェスターは、巨額の賞金目当てにアメリカ代表としてコンテストに参加する。かくして、スコットランド、メキシコ、アフリカなど、世界各国の代表によるコンテストが始まる。そこにはセルビアのチェリストとして参加したチェスターの兄、ロデリックの姿があった……。カズオ・イシグロのオリジナル脚本を90年代のロンドンから大恐慌時代のウィニぺグに置き換えて映画化した本作は、ヴェネチアを始めとする多くの映画祭で熱狂的に迎えられ、マディンの代表作の一つとなった。イザベラ・ロッセリーニの怪演が圧倒的。