上映作品

『無用』
Useless

東京フィルメックス25周年の軌跡

TOKYO FILMeX 2008 特別招待作品

作品詳細

中国/2007/84分
監督:ジャ・ジャンクー( JIA Zhang-ke )

ジャ・ジャンクー監督作『無用』は中国のファッションをテーマとするドキュメンタリーである。映画は3つのバートに分けられ、衣服が製造される広東省の工場から始まる。カメラは製造され出荷される衣服のみならず、そこで働く労働者たちの表情を生き生きととらえる。第2部の中心となるのは、中国ファッション業界をリードする気鋭の女性デザイナー馬可(マー・クー)。今年パリで開かれ、大きな話題を呼んだ馬可のファッションショーのドキュメントと、馬可が自分のブランド「無用」のコンセプトを語るインタビューとで構成される。第3部はジャ・ジャンクーの故郷である山西省汾陽(フェンヤン)に舞台を移し、鉱山労働者の家族が出入りする裁縫店などを取材しつつ、庶民と衣類の関係を考察する。ファッション、あるいは衣類を切り口に中国の現状を多面的に捉えた本作は、2007年のヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で上映され、最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。

監督:ジャ・ジャンクー( JIA Zhang-ke )

1970年生まれ、中国山西省・汾陽(フェンヤン)出身。93年に北京電影学院文学系(文学部)に入学。初長編作『一瞬の夢』が98年ベルリン国際映画祭フォーラム部門でワールドプレミア上映され、ヴォルフガング・シュタウテ賞(最優秀新人監督賞)を受賞したほか、プサン国際映画祭、バンクーバー国際映画祭、ナント三大陸映画祭でグランプリを獲得、国際的に大きな注目を集めた。06年、三峡ダム建設により水没する古都・奉節(フォンジェ)を舞台にした『長江哀歌』がヴェネチア国際映画祭金獅子賞(グランプリ)を受賞。

上映スケジュール

11月18日(月)21:00 -

ヒューマントラストシネマ有楽町

ゲスト

市山尚三(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)

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