香港 / 2008 / 87分
監督:ジョニー・トー( Johnnie TO )
3人の仲間とともに香港の街で活動するスリのケイは、ミステリアスな美女チュンレイに出会い恋に落ちる。だが、チュンレイの虜になったのはケイだけではなく、3人の仲間たちもそれぞれ彼女に出会って魅せられていた。チュンレイが何かトラブルを抱えていることを知った4人は、そのトラブルを解決するため、彼女にとって重要な意味を持つ鍵を盗もうとする。だが、このために彼らは暗黒街の大物と対決する羽目になる……。ジョニー・トーが数年をかけて撮りあげた本作は、クラシックな趣をもった人情コメディとも言うべき快作だ。サイモン・ヤム演じるケイが古いカメラで香港の街を撮るシーンは極めてノスタルジックで、また雨の路上で4人が暗黒街の大物と"対決"するシーンではハリウッド・ミュージカルを思わせる演出が大きな効果をあげている。題名の「文雀」とは、香港で「スリ」を意味するスラングであるという。2008年のベルリン映画祭コンペティションで上映された。