監督:ツァイ・ミンリャン( TSAI Ming-Liang )
1957年、マレーシアに生まれる。1992年、長編デビュー作『青春神話』(92)がベルリン映画祭でプレミア上映される。第2作『愛情萬載』(92)でヴェネチア映画祭金獅子賞を受賞し、ベルリン映画祭でも『河』(96)が審査員特別賞を受賞したことにより、メジャーな映画監督としての地位が固まった。今までの長編映画は全て世界三大映画祭で出品され、そのうち5作品はFRIPESCI賞を受賞。2009年、『ヴィザージュ』(09)はルーブル美術館に収蔵された初めての劇映画となった。
近年、ツァイは美術界からも注目を集め、様々な展覧会やフェスティバルへ招待されており、「Hand-sculpted Cinema」や「The removal of industial process from art making」といった美的理念を提唱している。
2012年に「行者」シリーズを開始し、完成された10作品は世界中のアートフェスティバルやギャラリーで上映された。一方、台湾では、ツァイは「Art Museum as Cinema」、「The Auther’s Intended Way of Viewing」といったコンセプトを提唱し、過剰に商業化した映画産業とのバランスをとるための新しい映画の見方を紹介している。