上映作品

『未完成の映画』
An Unfinished Film(一部未完成的電影)

特別招待作品

観客賞

© Yingfilms Pte. Ltd.,

作品詳細

シンガポール、ドイツ / 2024 / 107分
監督:ロウ・イエ( LOU Ye )

2019年、物語は10年間電源が入っていなかったコンピューターが起動される場面から始まる。そこには放置された未完の映画が入っており、その映画の監督は主演俳優を呼び出し、制作の再始動を提案する。様々な理由で躊躇していたものの、2020年1月の春節を目前に撮影準備が始まると、主演俳優はクルーに合流している。彼らはすぐに制作に取りかかるが、程なくしてコロナ禍対策のためのロックダウンのニュースが広まり始め、何人かのキャストは荷物をまとめて去っていく。そしてすぐにホテル全体が強制的に封鎖され、主演俳優とクルーは各部屋に閉じ込められてしまう……。本作は、未完に終わったクィア映画を完成させるために再集結した映画制作チームを描いたドキュフィクション作品。映画制作の過程とパンデミックを生き抜く過程が、感染拡大で制作が中断し、全員がホテルで隔離されるという場面で結び付けられる。そこからフィクションと現実の境界が更に曖昧になっていくが、それでも溢れ出る真摯さや真実味こそがこの作品の真骨頂だろう。カンヌ映画祭にて特別上映作品として上映された。

© Travis Wei

監督:ロウ・イエ( LOU Ye )

1965年、上海生まれ。上海大学美術学院にてアニメーションを学び、その後北京電影学院にて映画制作を学ぶ。94年、初の長編劇映画『デッド·エンド/最後の恋人』を監督するも、中国国内では2年間の上映禁止となる。2作目『ふたりの人魚』(00)はロッテルダム映画祭タイガー・アワード、また第1回東京フィルメックスで最優秀作品賞を受賞したが、同じく中国では上映禁止となる。現代中国映画における古典とみなされる同作は、2021年に自身の監修の元でオリジナルの16mm A-Bネガより4K復元された。

続く『パープル・バタフライ』(03)、『天安門、恋人たち』(06)、『スプリング・フィーバー』(09)は全てカンヌ映画祭コンペティションに出品。パリを舞台にした『パリ、ただよう花』(11)はヴェネチア映画祭にて上映された。『二重生活』(12)は再びカンヌ映画祭のある視点部門に出品。『ブラインド・マッサージ』(14)はベルリン映画祭コンペティション部門で上映され銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞。『シャドウプレイ』(18)は台北台湾金馬奨で、『サタデー・フィクション』(19)はヴェネチア映画祭にて上映された。

上映スケジュール

11月24日(日)19:05 -

丸の内TOEI

ゲスト

ロウ・イエ(監督)

11月29日(金)15:45 -

丸の内TOEI

note