上映作品

『スユチョン』
By the Stream

特別招待作品

作品詳細

韓国 / 2024 / 111分
監督:ホン・サンス( HONG Sangsoo )

ソウルの女子美術大学を舞台にしたこの映画は、もうそれほど若くはない大学講師のジョンイムが、かつてはその分野で有名だった叔父のチュ・シオンに大学の演劇祭で学部の学生たちの寸劇を演出させようと大学に招へいするところから始まる。演劇祭の準備が始まり、その過程でシオンはジョンイムの上司で彼の大ファンである女性教授チョンと親しくなっていく……。本作は「A Traveler’s Needs(英題)」に続く今年2作目のホン・サンス監督作品。登場人物たちが食事をし、酒を酌み交わす場面で重要なことが示唆されることが多いホン作品だが、この作品もその例に漏れず、川沿いにある鰻料理店で多くの進展や転回が起こる(また、川沿いの店ではないが、演劇祭の打ち上げの席で学生たちが独白する場面は不意に訪れる感動的なシーンだ)。ジョンイムは織機で繊細なパターンの織物を作る新進の芸術家であり、そのことがこの作品の主題の一つである演劇の考察と共に、作品にもう一つのレイヤーを与えている。ロカルノ映画祭のコンペティション部門で上映され、主演のキム・ミニが最優秀演技賞を受賞した。

監督:ホン・サンス( HONG Sangsoo )

1960年、ソウル生まれ。韓国中央大学で映画制作を学んだのち、カルフォルニア芸術大学、シカゴ芸術大学で美術学士号、美術修士号を取得。その後フランスに渡り、シネマテーク・フランセーズなどに通い詰めた。韓国に戻り、96 年に『豚が井戸に落ちた日』で監督デビュー。バンクーバー映画祭、ロッテルダム映画祭などで受賞を果たす。2004 年の『女は男の未来だ』がカンヌ映画祭のコンペティション部門に初選出。『アバンチュールはパリで』(08)から『へウォンの恋愛日記』(13)までは7作連続で世界三大映画祭(カンヌ、ヴェネチア、ベルリン)に出品されるという快挙を成し遂げた。近年の作品に『正しい日、間違えた日』(15)、『あなた自身とあなたのこと』(16)、『夜の浜辺でひとり』(17)、『クレアのカメラ』(17)、『それから』(17)、『草の葉』(18)、『川沿いのホテル』(18)があり、うち6本に出演している女優キム・ミニ(『夜の浜辺でひとり』でベルリン映画祭主演女優賞受賞)は彼の映画のミューズと呼ばれるほどの名コンビである。

上映スケジュール

11月30日(土)18:20 -

丸の内TOEI

ゲスト

ロウ・イエ、カトリーヌ・デュサール、ラ・フランシス・ホイ

12月1日(日)12:20 -

丸の内TOEI

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