上映作品 - 特集:ルクレシア・マルテル

私たちの土地
/ Landmarks

11月29日(土)11:00 -朝日

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© Rei Pictures – Louverture Films

アルゼンチン、アメリカ、メキシコ、フランス、オランダ、デンマーク / 2025 / 122分 /
監督:ルクレシア・マルテル(Lucrecia MARTEL)

ルクレシア・マルテル監督初の長編ドキュメンタリー。アルゼンチン北部の先住民指導者ハビエル・チョコバル氏が、先祖伝来の土地を守ろうとして殺害された2009年の事件とその裁判を追う。この事件を500年にわたる植民地支配による暴力と土地収奪の歴史の延長として位置づけ、現代アルゼンチンの構造的な不公正を明らかにしていく。

2009年、アルゼンチン北部トゥクマン州において、先住民族チュシャガスタの指導者、ハビエル・チョコバルは土地紛争の最前線で銃撃を受けて命を落とす。本作は、9年後になって動き始めたその事件の法廷闘争を軸に据えながら、土地の権利と所有を巡る植民地主義の歴史的残滓を丹念に掬い取っていく。映画は殺人事件の法廷場面と、土地紛争の舞台となってきた山岳地帯や先住民族の暮らしの営みを往来しながら構成される。裁判の記録映像、証人の証言、アーカイブ写真、空撮映像──多様な素材は時系列に沿って並べられるのではなく、むしろ意図的にずらされ、モザイクのように折り重ねられていく。そして映画は徐々に、過去の植民地主義的手続きや契約がいかに現代の制度と折り重なって機能し続けているかを明らかにすると共に、土地の持つ歴史や記憶そのものを浮かび上がらせていく。本作はベネチア映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門でワールドプレミア上映された。

©Eugenio Fernández Abril

監督:ルクレシア・マルテル(Lucrecia MARTEL)

1966年アルゼンチン・サルタ州生まれ。初長編『沼地という名の町(La Ciénaga)』(2001)でベルリン映画祭アルフレッド・バウアー賞、サンダンス・NHK国際映像作家賞などを受賞。『The Holy Girl』(2004)と『頭のない女(The Headless Woman)』(2008)がカンヌ映画祭コンペに選出。『サマ(Zama)』(2017)は祖国のアカデミー賞で作品賞、監督賞などを受賞。『私たちの土地(Landmarks)』(2025)は初の長編ドキュメンタリー。

上映スケジュール

11月29日(土)11:00 -

有楽町朝日ホール

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