第5回東京フィルメックス デイリーニュース



11月20日(土)〜11/28(日)、開催の模様をデイリーでレポート!
※即日更新予定ですが、遅れる場合もありますので御了承ください。


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「プロミスト・ランド」アモス・ギタイ監督 Q&A
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 すっかり東京フィルメックスの常連となったイスラエルのアモス・ギタイ監督。彼の新作『プロミスト・ランド』は、東ヨーロッパとイスラエルを結ぶ人身売買ネットワークを題材にしたドキュメンタリー・タッチの作品である。ギタイ監督と共同脚本家のマリー=ジョゼ・サンセルムは、壇上には上がらず、観客と同じ目線に立って多岐に渡る質問に答えていった。













「この映画はどれだけ事実に基づいているのか」との質問に、ギタイ監督はイスラエルの人権団体のレポートなどを参照したことを明かしたうえで、「そうした言葉や統計にすぎないものを、いかにして映像で表現するかが私にとって重要でした」。それを受けてサンセルムは「被害者の証言は大変恐ろしいものでした。彼女たちは完全に希望を失っているのです。今回の映画でアモスが目標にしたのは、売春そのものだけでなく、人身売買のネットワークの根っこがどこに存在し、女性たちがどのように商品化されているかを描くことでした。この映画はつねにある場所から別の場所へと移動しており、連れ回される女性たちは自分たちが国境を越えて移動していることしかわからずにいるのです」

 イタリアのジャーナリストからは劇中でイタリアと日本の国旗が一瞬映されることについての質問が投げかけられ、ギタイ監督は「これらの国にとっても決して無関係な問題ではありません。日本やイタリアの映画作家も同じテーマを扱うべきではないか」と返答した。

 そしてこの映画に対するイスラエルでの反応を尋ねられた監督は、「私の映画はいつも賛否両論に分かれます。しかし映画が現実と結びついて存在する以上、それはやむを得ないことだと思っています」とコメント。さらに大島渚やファスビンダーを例に挙げ、「自分の国を問う映画を作ることが、自分の国を愛することにつながるのではないでしょうか」と観客に語りかける。その毅然とした口調が印象的なQ&Aだった。

(取材・文:高橋諭治)




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