オープニング作品








日本 / 2026 / 109分
監督:原田マハ(HARADA Maha)
配給:ビターズ・エンド
美術館の監視員として働く聡美(蒼井優)のもとに、見覚えのない鍵が届く。送り主は父・唯一(イッセー尾形)。母(渡辺えり)と熟年離婚し、誰にも看取られずにひと月前に亡くなったばかりだった。鍵に導かれるように父の足跡をたどり始めた聡美は、骨董商のタク(永山瑛太)を通じて晩年の父の意外な側面と出会う。
作家・原田マハが2014年に刊行された自身の短編小説集『あなたは、誰かの大切な人』に収録された1編を自らの監督・脚本で映画化した長編デビュー作。キュレーターの経歴を持つ原田の絵画や古美術への豊かな造詣や、人物を描く際の成熟した視点と深い洞察が遺憾なく発揮されていることに加え、光と影の巧みな対比や色彩設計の細部までこだわり抜かれた端正で静謐な画面設計も相まって、本作を見事な映画芸術へと昇華させている。サンセバスチャン国際映画祭のコンペティション部門で上映され、国際批評家連盟賞とアテネオ・ギプスコアノ賞をダブル受賞した。

監督:原田マハ(HARADA Maha)
1962年生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。森ビル森美術館設立準備室などに勤務後、2002年フリーのキュレーター、カルチャーライターに。2006年『カフーを待ちわびて』で作家デビュー。2012年『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞、2017年『リーチ先生』で新田次郎文学賞、2024年『板上に咲く』で泉鏡花文学賞。主著に『キネマの神様』『本日は、お日柄もよく』『暗幕のゲルニカ』『常設展示室』など。自作短編を自ら脚色した本作で映画監督デビュー。