ルーマニアに生まれ、モスクワで学び、そしてウクライナ・オデーサで半世紀近くにわたり映画制作を続けた、伝説のアナーキスト映画監督キーラ・ムラートワの、本邦初のレトロスペクティヴ。ソヴィエト時代には苛烈な禁止を課され、外国人として、女性監督として、そして前衛的なシネアストとして、あらゆる「中央」から追放されながらも、オデーサをアジトに、異邦人として鮮烈な映画を作り続けたムラートワの、孤高かつ無軌道なフィルモグラフィーが、初めて明らかにされる。




短い出会い / Brief Encounters
ソ連 / 1967 / 92分
監督:キーラ・ムラートワ(Kira MURATOVA)
地方都市で行政官を務める女性は、家政婦として雇った少女と奇妙な信頼関係を築く。しかし二人は知らぬ間に、旅を続けるひとりの男を同じように愛していた。真面目な都市生活者と無垢な少女。過去の甘い記憶と切ない回想が重なり合う中、男の不在が二人を結びつけ、同時にそれぞれの孤独を深めていく。
11/24(火)18:55HTCQ&A






無気力シンドローム / The Asthenic Syndrome
ソ連 / 1989 / 153分
監督:キーラ・ムラートワ(Kira MURATOVA)
崩壊寸前のソビエト社会を背景に、人間の極限的な疲弊を描いた作品。夫を失い激しい絶望から暴力的に振る舞う女を描くモノクロの第1部と、その映画の観客席で眠りこける、無気力症に冒された教師の日常を追うカラーの第2部で構成される。社会の閉塞感と個人の精神的崩壊を冷徹かつ実験的な演出で捉え、混沌とした時代そのものの狂気を体現したムラートワの代表作の1本。
11/20(金)16:05HTC