上映作品 - 特別招待作品

トリノの影 / Torino Shadow

11/21(土)21:50 -丸の内ピカデリー

イタリア、中国 / 2026 / 32分
監督:ジャ・ジャンクー 賈樟柯(JIA Zhang-Ke)
*No English subtitles (Japanese subtitles only)

中国・広東省台山で食堂を営みながら幼い娘を育てるジェン(チャオ・タオ)が、夫の働くイタリア・トリノを訪ねる。中国に残った娘とのビデオ通話を楽しみながらも、夫婦の関係はどこかかみ合わない。仕事人間の夫に取り残されたジェンは、異国の風景をスマホで撮りながら、自分の居場所を思う。映画がつなぐ二都物語。

トリノ国立映画博物館が始めた短編プロジェクトの委嘱作品。「博物館やアーカイブのコレクションを素材とし、トリノ市を主題/舞台に、映画芸術と映画史への省察を実験する」というお題に、ジャ・ジャンクーは漂泊する男女のすれ違いという得意の設定のドラマで応えた。目を引くのは、舞台となった台山とトリノの街並みの類似性。装飾的な柱廊が建物を連ねる街を、チャオ・タオのスクーターが駆け抜ける。台山の街の西洋的な意匠は19世紀に海を渡った中国人労働者が持ち帰ったものだという。異郷で故郷を思う移民の歴史が、夫婦のドラマと呼応する。もう一つの軸は、映画の前史と未来を結ぶ線。台山の伝統的な影絵芝居が映画の原点ともいえる表現。誰もが気軽に映像を撮る時代に、映画はどこへ向かうのか。結末に引用されるフェリーニ、フェイ・ムー、ブレッソンらの作品の一節が、その答えを暗示する。カンヌ国際映画祭特別上映部門でワールドプレミア。

監督:ジャ・ジャンクー 賈樟柯(JIA Zhang-Ke)

1970年、山西省汾陽生まれ。北京電影学院卒。卒業制作の『一瞬の夢』(1998)で監督デビュー。第2作『プラットホーム』(2000)はヴェネツィア国際映画祭コンペティションに選ばれNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞。第5作『長江哀歌』(2006)でヴェネチアの金獅子賞、『四川のうた』(2013)でカンヌ映画祭脚本賞を受賞、2015年にはカンヌの生涯功労賞を贈られた。「中国の若者が世界の秀作映画と出会う場所を」と故郷で創設した平遥国際映画祭は今年で10回目を迎えた。

上映スケジュール

11/21(土)21:50 -

丸の内ピカデリー