東京フィルメックス・コンペティション
審査員特別賞
イラン、ドイツ / 2023 / 99 分監督:アリ・アフマザデ ( Ali AHMADZADEH )
GPSの音声に導かれ、車で夜のテヘランをさまよう一人の男。アミールという名前のドラッグの売人である彼は、夜の暗闇と街の灯りの中、様々な顧客たちに会いに行き、そして彼らを車に招き入れる。介護施設に住む老人たち、海外から戻ってきたばかりの客室乗務員、ストリートに立つトランス・セクシュアルの街娼たち、そして麻薬中毒の息子を何とか救おうとする母親....ベルリン国際映画祭フォーラム部門で紹介された『Atomic Heart』(15)に続くアリ・アフマザデの第3作目の長編である本作は、ドキュメンタリー的な要素と超現実的な筆致を同居させながら、抑圧が続く社会の水面下でくすぶっている人々、とりわけ若い世代の人々の苦悩や欲望を直接的かつ直感的に描き出していく。イラン当局によって監督の海外への渡航が禁止される中、ロカルノ映画祭にて金豹賞(最高賞)を受賞した。
監督:アリ・アフマザデ ( Ali AHMADZADEH )
1986年、テヘラン生まれ。監督・脚本家・プロデューサーとして抑圧されたイランの若い世代の深刻な姿を伝える3つの長編映画作品を制作。建築の資格を持っているにも関わらず、音楽への興味からネイナヴァ音楽大学へ進学。その後、ヤング・シネマ・ソサエティで映画監督としての学位を取得。現在、制作した映画作品はイラン当局によって上映を禁止されている。
11月21日(火)19:10 -
ヒューマントラストシネマ有楽町
11月24日(金)21:15 -