東京フィルメックスとは

24回(2023年度)

上映作品

『Last Shadow at First Light(英題)』

メイド・イン・ジャパン

作品詳細

シンガポール、日本、スロベニア、フィリピン、インドネシア/2023/108分
監督:ニコール・ミドリ・ウッドフォード ( Nicole Midori WOODFORD )

シンガポールで父と暮らす高校生のアミ。彼女の母は日本人で、東日本大震災の際に日本に帰国したきり、ある時期を境に行方不明になっていた。頻繁に母の夢を見るアミは母がまだ生きていると確信している。彼女の残したテープや手紙を新たに発見したアミは、自分が夢で見た道を辿ることを決意し日本に向かう。そして母の最後の居場所を知る唯一の人物で、現在は東京に住むタクシー運転手の叔父と共に、東北地方へ母の足跡を辿る旅に出るが...。短編作品で注目を集め、エリック・クーが製作を務めたHBOアジアのテレビシリーズ『フォークロア2』の一篇「お出かけ」を監督したニコル・ミドリ・ウッドフォードの長編デビュー作は、喪失の痛みに人々がいかに向き合うかを描いた作品だ。名手浦田秀穂による見事な撮影に加え、幽霊や死者の魂が生者の世界と共存する超自然的な描写も大きな効果を上げている。サンセバスチャン映画祭の新人監督部門でプレミア上映された。

監督:ニコール・ミドリ・ウッドフォード ( Nicole Midori WOODFORD )

シンガポール出身、監督・脚本家。ベルリナーレ・タレンツ、アジアン・フィルム・アカデミー、トリノ・フィルム・ラボ、タレンツ・トーキョーを修了。監督した短編作品はこれまで釜山映画祭、クレルモン=フェラン短編映画祭、シンガポール映画祭など多くの映画祭で上映された。シンガポール・日本合作である長編初監督作『Last Shadow at First Light(英題)』はトリノ・フィルム・ラボ、タレンツ・トーキョー、SEAFICに選出され、2023年のサンセバスチャン映画祭新人監督部門に選出された。

2020年には映画制作の実績に対して名誉あるヤングアーティスト賞を受賞。また、エリック・クーが製作を務め、高く評価されたHBOアジアのテレビシリーズ『フォークロア』セカンドシーズンの監督・脚本を務めた一人。これまでの作品におけるトラウマの探求は個人的な暴力から「トラウマを受けた背景」まで多岐に広がる。制作のプロセスは物理的な空間に自身を没頭させ、真実と記憶を呼び起こすために俳優との即興的な出会いをトレースする。

上映スケジュール

11月23日(木)21:15 -

ヒューマントラストシネマ有楽町

11月25日(土)13:00 -

有楽町朝日ホール

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