メイド・イン・ジャパン
日本 / 2023 / 69分監督:岩﨑敢志( IWASAKI Kanshi )
フリーランスで音響関係の仕事をしている琴は、かつて同棲していた昭一がフィリピンから一時帰国するのを空港で出迎える。二人の恋人としての関係は昭一が海外に渡ったことにより実質的に終わりを迎えていたが、昭一はかつて二人が同居し、今は琴が一人で住む団地の部屋にそのまま滞在することになる。とはいえそれで二人がよりを戻すということもなく、琴は自分の日常生活を淡々と続けるが...。映画美学校で万田邦敏監督から演出を学び、宮崎大祐監督や清原惟監督作品で助監督や録音を務めてきた岩﨑敢志の初長編監督作品。さりげないカメラワークと音響へのこだわりが秀逸な作品だが、何より素晴らしいのは琴を演じた主演の村上由規乃の佇まいで、特別なことが何一つ起きない物語の屋台骨を彼女の存在感が支えている。身の回りの世界を描いた小さな作品ではあるものの、琴の仕事の場面等を通じて日本社会の一側面が垣間見えてくるのも興味深い。
監督:岩﨑敢志( IWASAKI Kanshi )
1996年生まれ。愛知県出身。立教大学社会学部卒業。 大学在学中から映画美学校フィクション・コースに通い、初等科修了制作で監督した『転回』がPFFアワード2021で審査員特別賞を受賞。 2023年公開のオムニバス映画『テン・ストーリーズ』では3篇の監督を担当。『うってつけの日』が初長編監督作品。
11月20日(月)21:30 -
ヒューマントラストシネマ有楽町