東京フィルメックスとは

24回(2023年度)

上映作品

GIFT

特別招待作品

作品詳細

日本 / 2023 / 74分
監督:濱口竜介( HAMAGUCHI Ryusuke )
音楽・演奏:石橋英子( ISHIBASHI Eiko )

『ドライブ・マイ・カー』での共同作業も記憶に新しい音楽家の石橋英子と映画監督の濱口竜介。この二人が再び協働して生まれたのが、この『GIFT』という作品である。元々は石橋が濱口に自身のライブ・パフォーマンス用の映像の制作を依頼したところから始まった企画だったということだが、その制作過程でいわゆる発声映画として完成に至ったのが『悪は存在しない』で、元々の石橋の依頼に沿う形で完成した映像が本作『GIFT』ということになる。本作は前者より尺も短く、また編集も変わっているものの、大まかな物語は両作品に共通しており、本作の場合にはサイレント映画の様式に則って台詞や説明にインタータイトルが使用されている。成立過程の特殊性により、現在最も時代の先端を行く音楽家と映画作家が奇しくも映画の最古の様式であるサイレント映画を共作することになったわけだが、その結果はぜひライブ・パフォーマンスにてご確認いただきたい。

監督:濱口竜介 ( HAMAGUCHI Ryusuke )

1978年、神奈川県生まれ。2008年、東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作「PASSION」がサン・セバスチャン映画祭や東京フィルメックスに出品され話題に。その後は「THE DEPTHS』(10)『なみのおと」「なみのこえ」「うたうひと (11~13/共同監督: 酒井耕)、 「親密さ」(12)などを監督。15年、演技経験のない4人の女性を主演に起用した「ハッピーアワー」が、ロカルノ、ナント、シンガポールほか国際映画祭で主要賞を受賞。商業映画デビュー作「寝ても覚めても(18)がカンヌ映画祭コンペティション部門に選出され、共同脚本を手掛けた黒沢清監督作「スパイの妻<劇場版>』(20)はヴェネチア映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞した。2021年は「偶然と想像」が第71回ベルリン映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞、「ドライブ・マイ・カー」は第74回 カンヌ映画祭で脚本賞など4冠に輝き、米アカデミー賞でも作品賞、監督賞、脚色賞にノミネートされ、国際長編映画賞を受賞した。2023年は最新作「悪は存在しない」でヴェネチア映画祭の銀獅子賞 (審査員大賞)、国際批評家連盟賞を受賞している。

音楽・演奏:石橋英子( ISHIBASHI Eiko )

石橋英子は日本を拠点に活動する音楽家。ピアノ、シンセ、フルート、マリンバ、ドラムなどの楽器を演奏する。Drag City、Black Truffle、Editions Mego、felicityなどからアルバムをリリース。2020年1月、シドニーの美術館Art Gallery of New South Walesでの展覧会「Japan Supernatural」の展示の為の音楽を制作、シドニーフェスティバル期間中に美術館にて発表された。2021年、映画「ドライブ・マイ・カー」の音楽を担当。World Soundtrack AwardsのDiscovery of the yearとAsian Film Awardsの音楽賞を受賞。2022年「For McCoy」をBlack Truffleからリリース、アメリカ、イギリス、ヨーロッパツアーを行う。2022年よりNTSのレジデントに加わる。2023年濱口竜介監督作品「悪は存在しない」を共同企画、音楽を制作。

上映スケジュール

11月23日(木)19:00 -

有楽町朝日ホール

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