『ダイ・バッド』 リュー・スンワン インタビュー |
Q. この映画を4部構成にすることは最初から考えていたのですか? A. 5年前に大体の脚本はできていたのですが、その時から4部構成を考えていました。自分には学歴も大した職歴もなかったので、短篇なら何とか撮れるだろう、と第1部を自主製作したのです。この時には、クェンティン・タランティーノの作品が自分にとっての原動力となりました。その後、『女校怪談』の助監督として得たギャラと友人たちからの借金、更には妻の保険金を崩して残りのパートを撮影しました。子供の頃からジャッキー・チェンが大好きで、自分も俳優になりたかったのですが、誰も自分を使ってくれないので、自分で映画を作ってそれに主演しようと思ったのも製作の動機の一つです。 Q. 第4部をモノクロで撮られたのはなぜですか? A. モノクロで撮るというアイデアは撮影監督から出たものです。自分ではやや不安があったのですが、マチュー・カソヴィッツの『憎しみ』を見て、モノクロで撮ることの確信が持てました。この映画の登場人物は、言わば白にも黒にもなりきれない若者たちです。モノクロで撮ることにより、彼らがさまよっている姿が浮き彫りにできるのではないかと思ったのです。 Q. 韓国ではどのように公開されたのですか? A. 最初は16mmのままアート・シアターで単館公開されたのですが、毎日満員の状態が続き、IMAGICAで35mmにブローアップして拡大公開されました。マスコミは熱狂的に受け入れてくれたのですが、自分ではこの反応には嬉しいというより恐い気持ちになりました。 監督プロフィール:1973年生まれ。1996年に短篇『Transmuted Head』を監督。1997年には2本目の短篇『Rumble』をつくり、プサン短篇映画祭で受賞。3本目『Our Contemporaries』(99)は韓国インディペンデント・短篇映画祭で最優秀賞。以前つくった短篇2本を含む4部構成の長編映画『Die Bad』は2000年に完成。 |