『悲しくなるほど不実な夜空に』
ティーチイン

 コンペティション部門の日本映画三本の第一弾。そのティーチインには監督宇治田隆史、主演澤田俊輔、音楽松本章の三人が若々しい姿を舞台に見せた。撮影は大阪らしいが、登場人物がすべて標準語で話しているのはという最初の質問に、これは日本のどこにも存在しうる話として描きたかったという答え。続いて若い女性観客が同世代 の監督志望の立場から、この作品を作ったときの心構えをアドヴァイスとして受けたいという発言に、前作の苦労から学んだことだが、まず無理をしないということ。具体的には同世代の人物の描写を前面に出すようにすれば、大人を描くことで苦労しなくていいし、プロの俳優のギャラも節約できる。
 また撮影時間も切り詰めるようにし て、無理に引き伸ばさないようにしたとのことだった。この後観客席からは質問が出ずに静寂。それほど作品を身近に感じ、共犯意識が持てたということか?司会者からの質問に、澤田、松本両氏は、監督が自由にやらせてくれたことを強調。二人とも何度目かの共同作業にまさにあうんの呼吸だったという。宇治田監督の次回作は来年の夏ぐらいにスタート予定。さまざまなジャンルに挑みたいのだが、やっぱりホームドラマの要素が入ってきてと苦笑い。


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