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2007年11月19日 11/19 『サントゥール奏者』舞台挨拶

DSC05149.jpg 11月19日夜、有楽町朝日ホールにおいて、特別招待作品の『サントゥール奏者』が上映された。本作はイラン映画史上の金字塔といわれる名作『牛』(69)や、第4回東京フィルメックスで上映された『郵便配達』(73)の巨匠ダリウシュ・メールジュイの最新作で、観客のなかには外国人の方も多く見受けられた。上映に先駆けて、来日したプロデューサーのファラマルズ・ファラズマンドさんが登壇し、舞台挨拶を行った。

 観客の温かい拍手で迎えられたファラズマンドさんは、今回残念ながら来日できなかったダリウシュ・メールジュイ監督からのメッセージを監督に代わって伝えた。

「私と私の作品をこの映画祭に招待していただき、どうもありがとうございます。ただ残念ながら、私はこの場にいることができません。
 サントゥールはイランに古くから伝わる楽器で、その演奏者はサントゥーリと呼ばれます。その古さゆえ、サントゥールは神話的な特質を持っていて、その神話性は私がこの作品で捉えたかったことでもあります。みなさまにこの映画をお楽しみいただければ幸いです。
 ダリウシュ・メールジュイ」

 弦楽器サントゥールの美しく切ない音色と、サントゥーリである主人公アリの転落していく姿に、イランの文化と現実を垣間見ることができる。アリ役を熱演したバハラム・ラダンは、この演技により、今年2月にテヘランで開催されたファジル映画祭国内コンペティション部門で最優秀主演男優賞を受賞している。この監督と俳優の今後の活躍に、ますます目が離せなくなりそうだ。

『サントゥール奏者』は、11月20日にも有楽町朝日ホールにて上映される。

(取材・文:鈴木 自子)

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投稿者 FILMeX : 2007年11月19日 20:00



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