11月22日夜、有楽町朝日ホールにおいて、コンペティション作品の『接吻』が上映された。上映に先立ち、監督の万田邦敏さんによる舞台挨拶が行われ、続いて主演の小池栄子さんから届いたビデオレターが公開された。埋め尽くされた観客席にいた、監督の妻で本作の脚本を手がけた万田珠実さんや、製作に携わった関係者の方も紹介され、華やかな雰囲気に包まれた。
万田監督が登壇すると、ステージ下には花束を持ってお祝いに駆けつけた小学校時代の同級生数人が現れ、監督は笑顔で受け取ってから上映の喜びと撮影の感想を語ってくれた。「去年の7～8月にわたって撮影が行われ、今年の1月に作品が完成しました。そのあと公開の機会がなく、今日ここで上映されることをとても嬉しく思います。特に小池栄子さんの演技が素晴らしいので、早く皆さんに観ていただきたい」と、TVのバラエティ番組などでみせる姿とは全く違う小池さんがスクリーンにいることを強調した。
その後、残念ながらスケジュールの都合で登壇できなくなった小池さんが、ビデオによるメッセージで作品に対する想いを届けてくれた。
「今日は『接吻』を観に来てくれて本当にありがとうございます。この物語は究極の愛の物語で、21世紀の『愛のコリーダ』と言ってもいいと思います。私が演じる京子は冴えない毎日を送るOLで、豊川悦司さん演じる凶悪殺人犯に恋をしてしまう。このような愛の形を理解するのは難しいと思いますが、ここまで純粋に人を愛することができる京子という役柄を大好きになって、演じるたびに京子に近づいていくのを感じました。実は私が本来持っている心の奥底に潜む暗い部分が京子に近いこともあり、演じやすかったというのはあります。そんな京子を皆さんも愛してくれて、一生懸命に生きてよかったねと思ってくれれば嬉しいです。最後まで楽しんでください」
『接吻』は来年の2008年3月、ユーロスペース他にて公開予定。
（取材・文：鈴木 自子）
投稿者 FILMeX : 2007年11月22日 20:20
