◎港区文化芸術振興基金助成事業 子ども映画制作ワークショップ 第3回 <「映画」の時間> HOME
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2009年03月11日 3/7(土) プレイベント開催のご報告

第2回<「映画」の時間>の開催を1週間後に控え、3月7日(土)にプレイベントを芝浦港南区民センターにて開催しました。

午前中の第1部では、イランからハナ・マフマルバフ監督をお迎えして、約80名の親子を対象に最新作「子供の情景」の上映と質疑応答を行いました。おそらく、みんな初めて目にするアフガニスタンの風景。少女バクタイが「学校へ行きたい!」と奮闘する様子や、少年たちが戦争ごっこをして遊ぶ姿を、じっと集中して最後まで映画を観ることが出来ました。

映画が終わると、今回のワークショップで特別講師を務める篠崎誠監督が、ハナさんへの聞き手となって、観客との質疑応答を行いました。
「なぜ、この映画では戦争をテーマにしたのですか?」という女の子の質問には、「暴力が戦争を引き起こし、どれだけ強い影響力を及ぼすのか、ということについて全世界へ注意を与えたかった」と答えました。質問をした女の子は「本当は止めなければいけないのに、男の子たちが楽しそうに戦争ごっこをしているところが心に残りました」と感想を述べてくれました。
映画を観た他の子どもたちも、映画の中で描かれた戦争ごっこが印象に残ったらしく、感想や質問を次々に発表してくれました。

また「男の子と女の子は一緒に遊んだことがないんですか?」という質問も。ハナさんは「アフガニスタンにはタリバン政権の時代があり、とても厳しく男女の境界がひかれ、学校も別々に通っていました。でも、家の中では他の国と同じように一緒に遊んでいると思いますよ」と答えてくれました。
次々と質問が続き、あっという間に予定の時間が終了。第1部は盛況のうちに終わりました。


お昼ご飯を食べてから、続いて第2部の開始です。今回のワークショップに参加する子どもたち15人が、小さな会議室に移り、ハナさんからさらにお話をしていただきました。
まずは、どうして映画を作り始めたのか。家族全員が映画制作に取り組んでいるマフマルバフ一家のお話から、8歳で初めて映画を監督することになった経緯をお話してくれました。

つづいて、子どもたちからハナさんへ質問です。さっきはお父さんやお母さん、たくさんのお友だちと一緒に観ていたので、恥ずかしさもあってなかなか質問できませんでした。今度は少ない人数でのお話だったのでみんな積極的にハナさんに聞いてみたかったことを発表してくれました。
ここでは、たくさんの質問と回答の中から、いくつかご紹介しましょう。

子ども「映画づくりでいちばん大変だったことは、なんですか?」

ハナ「大変なことは少しずつばらばらにして解決して行く。そうすれば、どんなことでも解決できる(ので、大変なことはない)。映画づくりの方法はひとつだけではありません」

子ども「アフガニスタンでは、本当に文房具さえあれば学校に通えるのですか」

ハナ「日本では水筒から水が当たり前のように出てくるけれど、アフガニスタンでは井戸までくみにいくのも大変。同じように学校に通うのは大変です。なぜなら、アフガニスタンは子供の数に比べて学校がとても少ない。長く戦争を続けているので、壊れてしまった学校も多い。学校に行こうと思ったら、遠いしお金もかかる。日本も(受験などがあったりして)大変だけど、アフガニスタンではまた違った大変さがあります」

子ども「映画の撮影で、みんなに自分がやりたいことがうまく伝わってないとき、たとえば立ち位置とか小道具が違うなと思ったとき、どうやって伝えたらいいのですか」

ハナ「おとなはお話がうまくいってないとき、こまかいところにこだわります。子どもだからこそ見つけられる、面白いお話を伝えるということをいちばん大事にすれば、立ち位置などは気になりません」

ハナさんが、子どもたちとの対話の中で、何度も繰り返した「映画を撮る上でいちばん大事なこと」。それは、子どもの視点を大事にして、見たまま、感じたままを素直に表現すること。
「自分が何を話したいか、伝えたいのか分からないときには、よくものを見ることを大切にしましょう。子どもたちの疑問に対して、大人の答えをそのまま信じるのではなく、自分の目で確かめることを大事にしてください」と話してくれました。篠崎さんも「ものをよく観察することは、とても大事なことです」と賛成していました。


最後に、ハナさんをみんなで囲んで外での記念撮影。
ハナさんのお話から学んだことを活かして、面白い映画を作りましょう!


休憩の後には第3部の工作ワークショップです。今回は、「止まっているはずの絵が動いて見える仕組み」を学ぶために、視覚おもちゃの工作に挑戦してみました。

・マジックロール
・ソーマトロープ
・フェナキスティスコープ

とてもていねいに作るお友だち、ひょいひょいとすばやく作るお友だち、おしゃべりに夢中で遅れてしまうお友だち…。
でも、最後にはみんな上手に作ったので、ちゃんと絵が動いて見えました!
これが映画の原理です。少し、謎がわかったかな?

朝から夕方まで続いたプレイベントも、これで終了です。みなさん、お疲れさま!
15日からのワークショップでは、楽しく映画を作っていきましょう!
(報告者:岡崎 匡)

投稿者 FILMeX : 14:15



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主催:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
助成:港区文化芸術振興基金助成事業
後援:港区教育委員会(申請中)
協力:国立新美術館 政策研究大学院大学教育政策プログラム 特定非営利活動法人映画美学校 慶應義塾大学岩渕研究室
    ちいさなひとのえいががっこう

「映画」の時間に関してのお問い合わせは→東京フィルメックス事務局 担当:岡崎、金谷
電話: 03-3560-6394 FAX: 03-3586-0201 メール:eiganojikan@filmex.net
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