現在、世界的に大きな注目を集めるアジアからは、才能ある新鋭たちが次々と登場しています。
2001年から2002年にかけて製作されたアジアの新進作家の9作品を上映します。
12月1日(日)より12月8日(日)まで、有楽町朝日ホールをメイン会場に開催いたしました
“第3回東京フィルメックス”において、以下のように審査結果が決定いたしました。
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
Director:Apichatpong WEERASETHAKUL
(タイ/2002/125min/35mm/Color)
副賞としてコダック株式会社より賞金100万円が監督に授与されます。
監督:ジャムシェド・ウスモノフ
Director:Djamshed USMONOV
(タジキスタン/2002/89min/35mm/Color)
副賞として賞金50万円が監督に授与されます。
<第3回東京フィルメックス・コンペティション審査員>
アン・ソンギ(審査委員長・韓国)、アン・ホイ(香港)、アミール・ナデリ(アメリカ)、黒沢清(日本)、ジャン=ミシェル・フロドン(フランス)
→
審査員
監督:パク・ジンピョ
Director:PARK Jin-pyo
(韓国/2002/67min/35mm/Color)
全上映作品の中から、観客の皆様の投票により選ばれます。
監督:藤井謙二郎
Director:PARK Jin-pyo
カクト / KAKUTO
日本/2002年/108分/カラー/1.85
監督:伊勢谷友介
出演:伊勢谷友介、伊藤淳史、高野八誠、加瀬亮、桃生亜希子、周防玲子、寺島進、香川照之
配給:ザナドゥー
『ディスタンス』等で活躍する俳優・伊勢谷友介の監督デビュー作。ドラッグをめぐって騒動に巻き込まれる若者たちの一晩の出来事を瑞々しい映像で一気に描ききる。刹那的に生きる若者たちの悩みや孤独を浮き彫りにするストリートムービー。是枝裕和監督がプロデュース。
蛇イチゴ / Wild Berries
日本/2002年/108分/カラー/1.85
監督:西川美和
出演:宮迫博之、つみきみほ、大谷直子、平泉成、寺島進、手塚とおる、蛍原徹、笑福亭松之助
配給:ザナドゥー
行方知れずだった兄の帰宅により平穏に見えた一家は大きく揺れ動く……。綿密に構成された脚本に基づき、個性的なキャストを見事に演出した西川美和は、是枝裕和監督『ディスタンス』等の助監督を経て本作で監督デビュー。TVで活躍中の宮迫博之が映画初主演にして、どこか憎めない詐欺師を軽妙に演じる。
死んでもいい / Too Young To Die
韓国/2002年/67分/カラー
監督:パク・ジンピョ
出演:パク・チギュ、イ・スネ
実生活でも夫婦である70代の老夫婦を主人公に、老いた後に知り合って結婚した二人の日々をユーモラスなタッチで赤裸々に描く。そのリアルな性描写の故に賛否両論を巻き起こす一方、カンヌ映画祭批評家週間で大きな話題を呼んだ驚愕の監督デビュー作。監督はTVドキュメンタリーに携わった後、本作を発表。
チキン・ポエッツ / Chicken Poets
中国/2002年/94分/カラー/1.85
監督:孟京輝(モン・ジンホイ)
出演:チン・ハイルー、チェン・ジェンピン
中国の小劇場運動の草分け的な存在である舞台演出家・孟京輝(モン・ジンホイ)の監督デビュー作。養鶏場を経営する羽目になった一人の詩人を主人公に、現実と幻想が大胆に交錯する詩的な作品。『ドリアン・ドリアン』の秦海[王路](チン・ハイルー)がヒロインを好演。
ブリスフリー・ユアーズ / Blissfully Yours
タイ/2002年/125分/カラー/1.66
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
出演:カノクポーン・トングラム
『真昼の不思議な物体』で注目されたタイの実験映画作家アピチャッポン・ウィーラセタクンの長編第2作。ミャンマーからの非法移民たちが国境近くの森の中で過ごす自由な時間を自然主義的な映像で描写する。本年度カンヌ国際映画祭で「ある視点」最優秀作品賞を受賞するなど高く評価された。
ギリギリの二人 / Nothing To Lose
タイ、シンガポール/2002年/90分/カラー
監督:ダニー・パン
出演:ピエール・プン、フレッシュ、イヴォンヌ・リム
多額の借金を抱えたギャンブラーと、どこかいわくありげな女。自殺を図ろうとしてビルの屋上で偶然に出会った二人が破れかぶれで一つの賭けに出る……。兄オキサイドと『レイン』を共同監督したダニー・パンのスタイリッシュな単独監督デビュー作。
右肩の天使 / Angel On The Right
タジキスタン/2002年/89分/カラー/1.66
監督:ジャムシェド・ウスモノフ
出演:ウクタモイ・ミヤサロヴァ、マルフ・プロゾダ
『井戸』『蜂の飛行』で国際的な評価を得たタジキスタンの新鋭ジャムシェド・ウスモノフの長編単独監督デビュー作。病気の母親の看病のため故郷に舞い戻った男が村に様々な波紋をよぶ様子を、飄々とペーソスを交えながら描く。本年度カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品。
小雨の歌 / 小雨之歌 Southbound Swallow
台湾/2002年/88分/カラー
監督:連錦華(リェン・チンホァ)
出演:陳湘[王其] (チェン・シアンチー)
『いわゆる親友』(第1回東京フィルメックス コンペ出品作)を共同監督したリェン・チンホァの単独監督デビュー作。中国の村での貧しい生活から抜け出すために台湾にやってきたヒロインの生活を描きつつ、台湾と中国の間に横たわる複雑な問題を問う。チェン・シアンチーの可憐な美しさが見る者を魅了する。
生きる / Zeestan
イラン/2002年/85分/カラー/1.66
監督:レザ・ソブハニ
出演:スガール・ビチアーレ、ジャブナム・モガダミ、ダゥード・ファタリザーデ
数々の短編映画によって国際的に高い評価を受けてきたレザ・ソブハニの待望の長編劇映画デビュー作。毎日同じ公園に出かけてゆき、ポートレートを撮る老写真家の日常生活を、説明的な台詞を排したストイックなスタイルで描く。繊細な音響処理が素晴らしい。