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TOKYO FILMeX Competition






A Girl at My Door / DOHEE YA
Korea / 2014 / 119 min.
Director: JUNG July

[Introduction]
The directorial debut of July JUNG explores a range of social issues through a policewoman transferred from Seoul to the port town of Yeosu and her encounter with a local girl. Co-starring the superb duo of BAE Doona and KIM Sae-ron, and produced by LEE Chang-dong. Screened in the Cannes Film Festival's Un Certain Regard section.






JUNG July







11/24『扉の少女』(仮題) Q&A
from ブロードキャスト 2014/11/26


 
11/24 『扉の少女』(仮題)Q&A
有楽町朝日ホール
 
チョン・ジュリ(映画監督)
ペ・ドゥナ(俳優)
 
市山 尚三(東京フィルメックス プログラム・ディレクター)
根本 理恵(通訳)

 
韓国 / 2014 / 119分
監督:チョン・ジュリ(JUNG July)
 
 
A Girl at My Door / DOHEE YA / 『扉の少女』(仮題)
Korea / 2014 / 119 min.
Director: JUNG July





New information will be added.


『扉の少女』(仮題)チョン・ジュリ監督、ぺ・ドゥナさんQ&A
from デイリーニュース2014 2014/11/24

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11月24日、有楽町朝日ホールにてコンペティション部門の『扉の少女』(仮題)が上映された。本作は、韓国の港町ヨスを舞台に、ソウルから派遣された女性警察官と家族から虐待を受けているひとりの少女との交流が描かれている。上映後に行われたQ&Aには、本作が長編デビューとなるチョン・ジュリ監督と主演のペ・ドゥナさんが登壇し、会場は朝早くから詰めかけた多くの観客で興奮と熱気に包まれた。


初めに、チョン監督が「こんなに朝早くから大勢のみなさんに来ていただき驚いています。ありがとうございます」と述べ、ペさんは「おはようございます(日本語で)。久々に日本の観客のみなさんにお会いできて本当に嬉しく思っています」と挨拶した。


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挨拶が終わるや否や、待ちきれない観客から早くも手が挙がり質疑応答に移った。まず、日本映画への出演を経てハリウッドへ進出しているペさんに対して、めざましい活躍の裏で感じているストレスやそのストレスの解消法を訊ねる屈託のない質問が出ると、会場は一気に和やかなムードとなった。ペさんは「面白い質問ですね」と笑顔で応じながら、『リンダ リンダ リンダ』(05)や『空気人形』(09)では日本語を、ハリウッド映画では英語を駆使したことに触れ、「俳優というのは演技をしながら言葉で伝えなければならないので、その作業はストレスになる」と努力の跡をにじませた。しかし、今回の作品では母国語で演技することができたためストレスは一切なかったそうだ。「韓国映画にはこれからもできる限り出演し続けたいです。自分の持っているものを100%発揮できると思うから」と、今後の意気込みも語ってくれた。


ストレス解消法については、この作品で演じた女性警察官ヨンナムのようにお酒を飲んで解消することもあるそうだ。大好きなワインを飲むと不思議と英語の台詞がスラスラ出てくると言う、茶目っ気たっぷりのペさん。また、台詞のない舞台を観に行ったりオーケストラの演奏を聴きに行ったりして、耳を休ませ身体で感じることも心がけているそうで、そうしたリフレッシュ方法にもプロらしい一面をのぞかせた。


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次に、本作でレズビアンが扱われることになった経緯について質問が投げかけられた。それに対してチョン監督は、「どうしたら寂しい二人が出会うことができるか、ということでかなり悩んだ」と明かした。実母に捨てられ義父から虐待を受けている孤独な少女をまず思いつき、その少女と出会う主人公ヨンナムの心寂しい境遇を人物設定として考える中で、男性中心社会で珍しい女性の幹部警察官であることや、社会から疎外されている同性愛者というアイデンティティを見出したそうだ。


続いて、『子猫をお願い』(01)や『クラウド アトラス』(12)に続き本作でも女性監督との作業にあたったことについて問われると、「女性監督や新人監督と仕事をするのが大好き」と答えたペさん。というのも、新人監督とは作品を一緒に作り上げていく一体感を強く感じられ、また、女性監督とは女性のキャラクターを作る上でいいヒントを得ることができると信じているからだという。特にチョン監督とは年齢が近いため、友人のように、姉妹のように接することができたそうだ。さらに、本作のスタッフは少数精鋭のチームだったため、友人のようであり、お兄さんやお姉さんのようでもあり、みんなで少女役のキム・セロンさんの世話をして、現場はとても家族的な雰囲気だったそうだ。また、チョン監督は、厳しい条件で働いていた現場のスタッフを常に励ましてくれたペさんを「心強い同志」と感謝をこめて評した。そして、来場していた演出チームが紹介され、会場から温かい拍手が送られた。


最後に、ラストシーンの暗い画調の意図について訊かれると、チョン監督は「二人の物語はこれからスタートするという意味合いがあり、シナリオを書いた者として今後の二人を心配しています」と説明した。さらに、主人公ヨンナムのその後について話が及ぶと、チョン監督は、「過去の一件があっても警察を辞めなかったヨンナムは、人間の尊厳を守るために最後まで辞めずに黙々と仕事をするはず」と語った。ペさんも撮影中に感じたことを踏まえて、「ヨンナムはどこにいても制服を着ていた。どんなことが起きても制服を脱ぐことがなく、警察官であることが当然のことだと思っているのではないか」と応え、チョン監督と息の合ったところを見せてくれた。


ここで時間切れとなり、Q&Aが終了。会場からは名残惜しそうな様子がうかがえた。その直後にロビーで急遽開催されたサイン会では、チョン監督とペさんが熱心な観客たちと気さくに言葉を交わす姿が印象的だった。『扉の少女』(仮題)は、来年の劇場公開が決定。
なお、11月27日(木)にTOHOシネマズ日劇にて2回目の上映があり、チョン監督のQ&Aを予定している。


(取材・文:海野由子、撮影:明田川志保、穴田香織、村田まゆ)
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