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2009年09月17日 ラインアップ発表

lineup0917_1.jpg 9月17日、第10回東京フィルメックスのラインアップ発表が、東京・京橋の映画美学校試写室にて行われた。
詰めかけた来場者で満席となった会場に、林 加奈子ディレクターと市山尚三プログラム・ディレクターが登場。初めに林ディレクターからラインアップ発表にあたっての挨拶が述べられた。

「皆様もよくご存知のように、世界はいま変革の時代を迎えています。この大きな変化に対して我々が感じ、そして向き合わなくてはならない不安を乗り越えて行くための願いを込めた作品を揃えることができました。東京フィルメックスはプログラムが命、と毎年言ってきましたが、今年も素晴らしい作品を上映できることになり、皆様に報告できることを大変嬉しく思います」
作品数は各部門の計61作品(予定)と、昨年の39作品から大幅な増加。また第10回を記念して、プレイベントやシンポジウム、トークイベントが企画されている。
今回の新たな試みの一つが、有楽町スバル座にて開催される「韓国映画ショーケース2009」。
韓国映画振興委員会(KOFIC)主催による例年の上映が、今年は東京フィルメックス会期中に開催される。KOFICからのラブコールに答える形で実現したこの連動企画には、チャン・ドンゴン主演、チャン・ジン監督の『グッド・モーニング・プレジデント』、イ・へジュン監督『キャスタウェイ・オン・ザ・ムーン』など、話題作が続々登場する。

lineup0917_2.jpg 次に、メインとなるコンペティション部門から2賞を選ぶ、5人の審査員が紹介された。
審査委員長の崔洋一監督をはじめ、『ふたりの人魚』(00)、『天安門、恋人たち』(06)ロウ・イエ監督、トロント国際映画祭アジア映画プログラマーのジョヴァンナ・フルヴィさん、シネマテーク・フランセーズ・プログラム・ディレクターのジャン=フランソワ・ロジェさん、台湾の女優チェン・シャンチーさんという、国籍・性別や専門分野もさまざまな顔ぶれ。
開催中のトロント国際映画祭で新作『カムイ外伝』がワールドプレミア上映されたばかり、現在トロントに滞在中の崔洋一監督から、ビデオメッセージが届けられた。
「(審査員として見る際には)自分がこれまで持ちえなかった価値観を提起してくれるような作品に、シンパシーを抱きます。自分が長年積み重なった手垢を落とす、ということが新しい映画との出会いなんです。自分の価値観と違うもの、新しい息吹に対してどう向き合えるか―それは自分が試されることになる、困難でしんどい作業ですが、それこそが生きる喜びです。
(東京フィルメックスは10年目だが)10年は実は一区切りでもなんでもない。映画とともに生き、映画とともに死ぬ、そのような決意がスタッフや観客にあり、それによってさまざまな困難を乗り越えてきた。東京フィルメックスは世界に誇ることのできる映画祭です。次の11年目からは、100年という単位に向けて新たな地平を切り開いてゆくことになる。この10年は、そういう節目になるんだと思います。我々はどうしても10年を一単位としてくくりたがるけれど、そのくくりを壊して新しい生産的な場を作り出すということが、東京フィルメックスの歴史なのだと思います」
コンペティション部門では、アジアの各地から集まった新進作家たちによるフレッシュで斬新な10作品が競う。

例年国内外で大きな反響を呼んでいる特集上映。今年の一つ目は、松竹との共催による「ニッポン★モダン1930」。今年生誕100周年となる田中絹代の主演作品や、戦前の松竹を代表する監督でありながら海外ではほとんど特集されたことのない島津保次郎監督を軸とした特集である。1930年代を、一般に日本映画黄金期と呼ばれる1950年代と並ぶ「もうひとつの映画黄金期」と位置づけ、モダニズムの時代精神に溢れた若々しい作品群を紹介する。上映機会の稀な斉藤寅次郎や成瀬巳喜男の短編も上映。
二つ目は「コードネームはメルヴィル」と題し、東京日仏学院と共催によってフィルム・ノワールの巨匠ジャン=ピエール・メルヴィルを特集する。現在に至るまで世界中の映画作家たちに多大な影響を与えているが、これまで日本でまとまった上映が行われていない。全14作品中、日本初上映の3作品を含む13本を、東京フィルメックスと東京日仏学院において上映する。

lineup0917_3.jpg 特別招待作品にはアジアや南北アメリカから10作品が登場。
オープニング作品はツァイ・ミンリャン監督の『ヴィサージュ』。パリ・ルーブル美術館を舞台にジャン=ピエール・レオーやファニー・アルダン、ジャンヌ・モロー、ナタリー・バイといったトリュフォー作品を彩った名優と、リー・カンション、チェン・シャンチーらツァイ作品の常連たちが競演する、第10回東京フィルメックスの開幕を告げるにふさわしい豪華な布陣となった。
日本からも気鋭の映画作家の新作2本が、特別招待として上映される。ここで『蘇りの血』の豊田利晃監督、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の大森立嗣監督が登壇し、メッセージを寄せてくれた。
「いつも新しい映画が完成するたびに、林さんと市山さんに見てもらっています。東京フィルメックスは映画に対してすごく誠実な映画祭だと思う。自分の映画が上映されることを、非常に光栄に思います」(豊田監督)
「実はまだ初号が完成していなくて、ラッシュの段階のものを見ていただいたんです。まだ出来上がっていない状態にも関わらず、映画を見る目のある方に選んでいただいたのできっと良い映画になると思います」(大森監督)

第10回東京フィルメックスは11月21日から29日まで、有楽町朝日ホール、東劇、シネカノン有楽町1丁目、明治大学アカデミーホール、有楽町スバル座の各会場で開催される。
チケットは11月3日より19日まで、チケットぴあにて発売(有楽町朝日ホール・シネカノン有楽町1丁目での上映のみ)。ゲストやイベント情報も随時更新されるので、公式サイトをお見逃しなく!


(取材/文:花房佳代)

投稿者 FILMeX : 2009年09月17日 22:08



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