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2009年11月24日 ボランティア・スタッフ・レクチャー(1)

vlecture_1.jpg 東京フィルメックス開催4日目の朝、映画祭を支えるボランティアスタッフ向けのレクチャーが開催された。映画祭期間中、スタッフにも『映画祭の面白さを学ぶ機会を』と本年度からスタートした新しい試みとなる。講師は、市山尚三東京フィルメックスプログラム・ディレクター、林 加奈子東京フィルメックスディレクター両名が務め「映画祭開催までの年間スケジュールは?」「作品選定のポイントは?」など、スタッフからの映画祭にまつわる様々な質問がされた。

映画祭Q&Aの入門編ともいえる当レクチャーは、ボランティアスタッフにとっても興味深い内容となっている。
朝10時スタートにあわせて、20名近いスタッフが参加した。
最初の質問は「映画祭や作品選定を含めての1年間のスケジュールの流れ」について。
市山Pディレクターから「来年の作品選定は、毎年9月頃からスタートしている。東京フィルメックス終了後の12月からは、作品のDVDを観始める」また、「ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭など量・質ともに充実している映画祭に足を運ぶ。特に、5月に開催されるカンヌ映画祭は、アーティスティックな作品が出揃うことと、その年の映画界の動向が分かるので重要。当然、私と林ディレクターだけでこなせないので、数人のスタッフで分担し、一日に何本も映画をハシゴする」など、作品選定には膨大な時間がかけられていることが説明された。
『東京フィルメックスの業務の流れ』については、林ディレクターから「映画祭の具体的なラインナップは、毎年9月に会見発表しているが、映画祭の広報的な注目度を高めるためには、審査委員や特集上映の発表と月刊誌・季刊誌への情報提供を、タイミングを考えて出していくことも重要」。また、特集上映作品については3年~4年腰を据えて準備するなど「映画祭自体は9日間の開催だが、準備に要する時間は、長いスパンで考えないといけない」ことも付け加えられた。
 
また、作品選定の基準については、林ディレクター・市山Pディレクター共に「新しい驚きを与えてくれるもの」とした上で「作品に関しては、国や地域・製作年度・監督の年齢など、あえてバランスは考えていない。イラン映画がコンペのうち3本を占めたり、中国映画が同じく3本入った年もあった。良い作品を観客に届けること、素晴らしい監督であれば、もっと応援したい!そういった気持ちを大切にしている」と語った。
 
1時間のレクチャー中、映画祭のイロハについて、参加者は熱心にメモを取っており「こうした機会があり、本当に勉強になる」と大満足の表情だった。


(取材・文:阿部由美子)

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投稿者 FILMeX : 2009年11月24日 12:00



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