特集上映 ピエール・エテックス

『大恋愛』
Le Grand Amour
  11/23(月・祝)12:30[A]
  • 作品詳細
    • 『大恋愛』 Le Grand Amour
      1969年 / 85分
      ピエール・エテックス (Pierre ÉTAIX)
      【作品解説】
      義父の工場で管理職を務め、夫婦仲も問題なく、何不自由ないが単調な日々を過ごす平凡な男。ある日、若い女性秘書が職場に現れ、恋い焦がれた彼の生活は一変するが…。男の夢想で繰り広げられる恋の身もだえが目にも楽しい傑作コメディ。エテックス初のカラー長編映画。
  • 監督
    • ピエール・エテックス (Pierre ÉTAIX)

      1928年生まれ。
      漫画家、イラストレーターとして生計を立てていたところにジャック・タチの『ぼくの伯父さんの休暇』と出会い、映画の道に進むことを決意。『ぼくの伯父さん』(58)の撮影現場では助監督や俳優を務めたほか、世界的にも有名なポスター・イラストをデザインした。 その後、アカデミー賞短編映画賞を受賞した『幸福な結婚記念日』(62)などの短編を監督し、「Le Soupirant」(62)で長編デビュー。同作はベルリン映画祭のコンペティション部門で上映され、『女はコワイです』という邦題で日本公開もされている。
      1964年にはサイレント喜劇のスタイルを踏襲し、子どもの頃に道化師に憧れた自身の体験を色濃く反映した『ヨーヨー』を発表。カンヌ映画祭のコンペティション部門で上映された。トリュフォーは「すべてのショット、アイデアが好きな美しい映画。多くのことを私に教える」と絶賛している。4作目となる代表作『大恋愛』(69)もカンヌ映画祭のコンペで上映され、大きな話題を呼んだ。
      その後、長編劇映画の演出から離れる。同時に権利関係の複雑さから、フランス国内でも長らくエテックス作品の上映機会は恵まれなかった。その間も、エテックスの作品を強く支持する映画作家の作品に俳優として出演を続ける(大島渚『マックス、モン・アムール』、アキ・カウリスマキ『ル・アーブルの靴みがき』など。『フェリーニの道化師』では本人役で出演)。2009年にはミシェル・ゴンドリーやミシェル・ピコリ、デビッド・リンチ、ウディ・アレンなど多くの著名な映画人や映画ファンが、エテックスへの権利返還を求める陳情の署名活動を行った。
      2007年には『ヨーヨー』が、2010年には『大恋愛』がそれぞれデジタル修復され、カンヌ映画祭クラシック部門で上映され好評を博した。またパリでは特集上映とあわせてエテックスのイラストや撮影した写真で構成された展覧会が開催された。世界各地での再評価の機運が高まっている喜劇映画の名匠であり、多彩な才能を誇るマルチクリエイターである。
  • ムービー
  • ニュース
    • ただいま準備中です。発表があり次第、掲載いたします。