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2006年11月26日

『審査結果』記者発表

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有楽町朝日ホール11階スクエアにキム・ドンホ審査委員長、クリス・フジワラ氏、オ・ジョンワン氏、大島ともよ氏、諏訪敦彦氏の審査員全5名が集まり、第7回東京フィルメックス・コンペティションの受賞結果会見が行なわれた。記者たちの注目が集まる中、キム・ドンホ審査委員長より受賞作品が発表された。

キム
「最優秀作品賞にはタジキスタンのジャムシェド・ウスモノフ監督の『天国へ行くにはまず死すべし』、そして審査員特別賞<コダックVISIONアワード>には、中国のイン・リャン監督の『アザー・ハーフ』が選ばれました。
 今回のコンペティションに選ばれた9本は優劣つけがたいすばらしい作品でしたので、私達は1本1本十分に討論を重ねて審査を行ないました。受賞した監督にはこの場でお祝いの言葉を申し上げ、また今回出品してくれた全ての作品の監督、製作の方々に敬意を表します。また、東京フィルメックスという日本で一番すばらしい映画祭を手掛けている市山尚三プログラム・ディレクター、林 加奈子ディレクターお二人に感謝の言葉を申し上げます」

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発表に続いて『天国へ行くにはまず死すべし』の撮影監督パスカル・ラグリッフル氏と『アザー・ハーフ』のイン・リャン監督が笑顔で登場し、それぞれ受賞後の挨拶を行った。

ラグリッフル氏は、次回作の脚本執筆のため来日のかなわなかったウスモノフ監督からのメッセージを読み上げた。
「この受賞を大変喜ばしく思っています。東京フィルメックスから賞を頂くのは2度目となりますが、この映画祭から大きな支援をいただき、私にとってまるで家族のような映画祭だと気付きました。審査員のみなさんに御礼を申し上げます。
 この作品はどこの国でもありえるような物語だと考えています。私にとってはタジキスタンやその他の貧しい町におけるイメージを描くのではなく、ある特定の場所にとらわれない、普遍性を獲得することが重要だと考えてきました。今回の賞は次回作にとって力となり、またさらなる欲望を高めてくれる応援の賞だと思っています」(ウスモノフ監督)

続いてイン監督。
「ウスモノフ監督からのメッセージに、私の言いたいことの全てが入っているように思います。私も今回が2度目の受賞になるのですが、やはり東京フィルメックスという映画祭を家族と同じように思っています。審査員の皆さん、私の作品を認めていただき、本当にありがとうございます。私は今回のコンペティション作品をほとんど観ました。すばらしい作品ばかりの中、私の作品を認めて下さったことをとてもうれしく思います。この賞をいただいたからには、今後、私の映画人としての成長を必ずお見せしたいと思います。それが今回出演して頂いたみなさんへの恩返しになると考えています。実は第3作の脚本がすでに完成しておりまして、これから撮っていくつもりです。ありがとうございました」

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次に、記者団からいくつかの質問が挙がった。まずは今回の審査基準について。

フジワラ
「今回の選考基準はオリジナリティとクリエイティビティの二つです。そして審査会議では、各自が映画に求める価値が異なることがわかってきて、議論は非常に面白く刺激的に展開していきました。作品が個人的な視点を持っているかどうか、映画としての構造はどのようなものか、社会の側面を新鮮な手法で提示しているか、知性を感じさせる映画かどうかを巡って議論がなされました」

受賞作品はその全ての要素において抜きんでていたのか、と聞かれると、大島氏が「選ばれた2本の監督は独特のスタイルを獲得しており、次回作を観たいと思わせられた」と答えた。
審査の過程についての質問には、キム審査委員長が答えた。

キム
「まず私達はそれぞれの作品について討論を重ねお互いの意見を交換し、1つ1つの作品の特徴について十分議論した上で、最優秀作品賞を投票で決め、次に審査員特別賞の選考に移りました。最初から全員一致というわけではありませんでしたが、話し合いを重ね、誰もが納得する結果に至りました」

なお、最優秀作品賞には副賞として賞金100万円、審査員特別賞にはコダック株式会社より賞金20万円と100万円相当の生フィルムが贈られる。

(取材・文:若松絵美)

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投稿者 FILMeX : 2006年11月26日 13:00


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