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日本映画史に足跡を残す巨匠たちに、これまでと違った側面から光をあてて、新たな魅力を再発見する本特集では、清水宏、内田吐夢、中川信夫、岡本喜八、山本薩夫といった作家の傑作を東京国立近代美術館フィルムセンターとの共催で紹介してきました。
その反響は国内にとどまらず、ベルリンやロッテルダム、香港など世界各国の映画祭での特集上映の巡回につながっています。

今年は蔵原惟繕監督(1927-2002)の傑作の中から、1950年代-60年代にかけての日活において、石原裕次郎主演のヒット作を生み出す一方で、個性的な作品を精力的に製作していた時代に焦点を絞り、12本をご紹介いたします。
これらの作品群に共通する蔵原作品の魅力―時代の持つ雰囲気、熱さ、脱出願望などを、代表作のひとつ「狂熱の季節」と重ね合わせて特集のタイトルとしました。
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