5人の審査員たち – 林 加奈子ディレクター(3)

審査員のみなさま5人は、今年も素晴らしいメンバーが揃いました。最終の審査会の後、やっぱりこの5人に依頼してよかったと心底実感しました。世代や性別、ポジションなどバランスを考えての5人でしたが、和気あいあいと仲良く審査をしてくださり、各自しっかり主張しながら徹底的に討論を重ねて、最終的にとても平和に、結論を出してくださいました。
よいチームだったことの証に、授賞式では最優秀作品賞と審査員特別賞のそれぞれを、一人が受賞結果を発表し、もう一人が賞状を授与してくださり、そして委員長が総評を述べられるという、5人が役割を分担した進行となりました。5分で終わるか5時間以上かかるものか分からない審査会ですが、最後にはそれぞれのアドレスを交換して連絡を取り合う約束までしていらっしゃって、喜ばしい限りの情景でした。改めて厳正なる選考を進めてくださいました5人の方々に、深く感謝申し上げます。

黒い衣装 – 林 加奈子ディレクター(2)

「オープニング・セレモニーの登壇者が黒い服で勢ぞろいしたのは何故でしょうか」と、外国のプレスの方からもご質問をいただきました。いえ、全くの偶然で、事前に打ち合わせをしたり、示し合わせたわけではありません。審査員の方々には「東京フィルメックスはご存知の通りカジュアルな映画祭ですので、民族衣装などで着飾る必要はございません」というお話はしていたのですが。結果的には、オープニング作品「三峡好人」のジャ・ジャンクー監督も、女優のチャオ・タオさんも黒い衣装でご来日ということになり、なんだか私たちもビックリしていた次第です。
確かに日本は冠婚葬祭のフォーマルには黒という習慣はありますが、まさか全員黒だったなんて。個人的には事務局スタッフは黒子に徹して、映画が最も輝くように上映をサポートしたいという気持ちは、確かにあります。悲しいかな服装には無頓着な性質なもので、ご指摘いただいても初めはピンと来ないくらいだったのですが。そのうち私も真っ赤なドレスでも着てニコニコ堂々としてステージへ出て行けるくらいに精進いたしますので(無理だと思います)、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

映画祭を終えて – 林 加奈子ディレクター(1)

あっという間に師走に突入してしまいました。事務局スタッフにとってはつい先日まで夏だったのに、気が付いたら紅葉も深まっている今日この頃です。
会期が無事に終了し、たくさんのお客様にご来場いただきました。ゲストの監督たちもフェアウェルパーティーではご機嫌に歌ってくださった方もいらして、みなさんお元気にご帰国されました。ご協力、ご支援いただきましたみなさまに心からお礼申し上げます。またシャープなご質問をくださった観客のみなさまにも重ねてお礼申し上げます。観客のレベルの高さについては、世界の映画祭の中でも屈指と自負しております。みなさまに支えられて、またより一層のプレッシャーを痛感しながら、事務局スタッフ一同、より楽しんでいただける映画祭の企画・運営について切磋琢磨しながら邁進してまいります。どうぞ引き続き宜しくお願い申し上げます。
公式サイトへのヒット数も大幅に増え、特に新しく挑戦したブロードキャストコーナーは1ヶ月の間に10,000件を超える盛況を記録しております。
せっかくの機会なので、これからしばらく期間中に皆様からお寄せいただいたアンケートでのご質問、ご指摘などにもお答えしながら、映画祭会期について振り返ってみたいと考えております。言い訳がましいことを書き連ねるつもりはありませんが、幾つかの選択肢の中でどちらかを選んで進めていかなくてはならない運営上の状況や、ごもっともなご意見とわかりながらも予算やお借りしている会場などの関係で、また一般の劇場公開と違った映画祭ならではの状況の中で、ギリギリの措置を講じている現状もありますため、映画祭の裏側についても少しご紹介できればと存じます。どうぞお付き合いの程お願い致します。

11/26 受賞コメント(パスカル・ラグリッフル)

最優秀作品賞に輝いた「天国へ行くにはまず死すべし」の撮影監督パスカル・ラグリッフルさんが、新作準備中のため来日できなかったジャムシェド・ウスモノフ監督に代わって、監督からのメッセージを読み上げました。

11/24 アニエスベー Director’s Talk! モーツァルト生誕250年記念イベント ガリン・ヌグロホ監督

MARUNOUCHI CAFEにて開催された「アニエスベー Director’s Talk!」では、モーツァルト生誕250年記念プロジェクト「ニュー・クラウンド・ホープ」の作品から、「オペラジャワ」のガリン・ヌグロホ監督をお迎えして、トークショーを行いました。

11/23 「映画編集の極意」トークショー (大島ともよ)

有楽町朝日ホールスクエアで行われたトークショーの模様です。コンペティション部門審査員の大島ともよさんが、「映画編集の極意」と題して映画編集者としての長年の経験を語ってくれました。