特別招待作品

今年も映画の最先端を切り拓いてゆく、気鋭の監督たちのとびきりの新作をご紹介します。
いずれも強烈な作家性が発揮された、これらのバラエティ豊かな作品からは、映画の多彩さがうかがえるでしょう。

『相愛相親』 Love Education / 相愛相親 【オープニング作品】

中国、台湾 / 2017 / 120分 / 監督:シルヴィア・チャン(Sylvia CHANG)

母の死を看取った娘は、母を父と同じ墓に入れるため田舎にある父の墓を移そうとするが、父の最初の妻に抵抗され、大きな波紋を巻き起こしてゆく。シルヴィア・チャンが監督・主演を兼ね、現代の中国を舞台に3世代の女性を描く。釜山映画祭クロージング作品。

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『24フレーム』 24 Frames 【クロージング作品】

イラン、フランス / 2017 / 114分 / 監督:アッバス・キアロスタミ(Abbas KIAROSTAMI)

写真が撮られた瞬間の前、あるいは後はどうなっているのだろうか、というコンセプトに基づき、映画と写真という2つの芸術形態の統合を試みた野心的な作品。キアロスタミは完成を見ることなく、2016年7月に逝去。本年のカンヌ映画祭でワールド・プレミア上映。

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『時はどこへ?』 Where Has Time Gone? / 時間去哪儿了

ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ、中国 / 2017 / 111分 / 監督:ウォルター・サレス、アレクセイ・フェドルチェンコ、マドゥル・バンダールカル、ジャーミル・X・T・クベカ、ジャ・ジャンクー(Walter SALLES, Aleksey FEDORCHENKO, Madhur BHANDARKAR, Jahmil X.T. QUBEKA, JIA Zhang-ke)

ジャ・ジャンクーがプロデューサーを務め、BRICSの5か国の監督たちが「時間」をテーマに競作したオムニバス。ダム決壊事故で行方不明の父親を探し続ける少年を描く『大地が揺れる時』、近未来に命の危険を冒しても運命を変えようとする女性を描く『死産』など。

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『サムイの歌』 Samui Song / Mai Mee Samui Samrab Ter

タイ、ドイツ、ノルウェー / 2017 / 108分 /監督:ペンエーグ・ラッタナルアーン(Pen-Ek RATANARUANG)

30代のテレビ女優の夫婦生活は、外国人の夫が仏教系の新興宗教に帰依したことから暗転し、ついに夫の殺害を計画するまでに至る。ヴェネチア映画祭「ヴェニス・デイズ」部門のオープニングを飾ったペンエーグ・ラッタナルアーンによるフィルム・ノワール。

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『天使は白をまとう』 Angels Wear White / 嘉年華

中国 / 2017 / 107分 / 監督:ヴィヴィアン・チュウ(Vivian QU)

少女への性的暴行事件が発生したリゾート地のモーテル。フロントで夜勤していた女性はオーナーの圧力で嘘の証言をするも、やがて、ある行動に出る。中国インディペンデント映画の名作を製作してきたヴィヴィアン・チュウが監督。ヴェネチア映画祭コンペ部門で上映。

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『ファンさん』 Mrs. Fang / 方繡英

香港、フランス、ドイツ / 2017 / 87分 / 監督:ワン・ビン (WANG Bing)

本年のロカルノ映画祭で金豹賞を受賞したワン・ビンの最新作。アルツハイマー病で寝たきりになり、ほとんど表情にも変化が見られない老女と周囲の人々をとらえ続ける。一つの死の記録にとどまらず、見る者に様々な問題を投げかけてくる挑戦的な傑作である。

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『ニッポン国VS泉南石綿(いしわた)村』 Sennan Asbestos Disaster

日本 / 2017 / 215分 / 監督:原一男(HARA Kazuo)
製作・配給:疾走プロダクション 配給協力:太秦

『全身小説家』以来23年ぶりの原一男のドキュメンタリーであり、「大阪・泉南アスベスト国賠訴訟」の8年間にわたる記録。原は「市民の会」の調査などに同行し、裁判闘争や原告たちの人間模様を描出する。だが長引く裁判は、確実に原告たちの身体を蝕んでゆく。

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『東京ヴァンパイアホテル 映画版』 TOKYO VAMPIRE HOTEL

日本 / 2017 / 142分 / 監督:園子温(SONO Sion)
製作:日活

新宿で想像を絶する大量殺人に遭遇するマナミ。やがて彼女は吸血鬼の一族がある目的をもって建設したホテルに監禁されてしまう。Amazonプライムの連続ドラマ作品の特別編集版。常識を超えたバイオレンスがカラフルな美術セットの中で炸裂する異形の傑作。

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特別招待作品 フィルメックス・クラシック


近年の上映環境の変化や技術の革新にあわせて、デジタルリマスター作業により過去の作品を現代に甦らせる試みが、世界各地で行なわれています。
巨匠たちの名作や、映画史的に重要な位置づけにありながら上映の機会が限られていた作品をスクリーンで観ることは、「新作」に触れるような新鮮な驚きと喜びをもたらしてくれることでしょう。

『モアナ(サウンド版)』 Moana with Sound

アメリカ / 1926,1980 / 98分 / 監督:ロバート・J・フラハティ、フランシス・H・フラハティ、モニカ・フラハティ(Robert J. FLAHERTY, Frances Hubbard FLAHERTY, Monica FLAHERTY)
配給:グループ現代

「ドキュメンタリーの父」ロバート・フラハティが妻と共同監督で南太平洋サモアの生活を描いたサイレント映画の傑作。今回は、製作から50年後、島を再訪した娘モニカの尽力によって完成したサウンド版を基に、2014年に甦った貴重なデジタル復元版の日本初上映。

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『山中傳奇』 Legend of the Mountain / 山中傳奇

台湾 / 1979 / 191分 / 監督:キン・フー(King HU)

死んだ兵士の霊を鎮める儀式に使う経典を清書する命を帯びた若い僧が遭遇する、奇怪な出来事の数々を描いたキン・フーの傑作。シルヴィア・チャンが美しい幽霊の役で出演。2016年のヴェネチア映画祭でワールド・プレミア上映されたデジタル修復版の日本初上映。

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