デイリーニュース
TOP<>BACK

2007年11月17日

11/17 山本洋さん舞台挨拶「父、山本薩夫の思い出」

IMGP2355.jpg 第8回東京フィルメックス初日。オープニングセレモニーに先立って、東京国立近代美術館フィルムセンターにてスタートした、「山本薩夫監督作品特集〜ザッツ<社会派>エンタテイメント」。最初を飾る『戦争と平和』の上映前、監督のご子息で映画プロデューサーの山本洋さんより挨拶の言葉を頂いた。

 林加奈子東京フィルメックスディレクターが今回の上映が実現したことへの感謝の辞を述べた後に壇上に立った洋さんは、会場を埋めた観客に亡き父の思い出を語ってくれた。
 ご子息たちが映画の道に進もうとした時、山本監督は、自身が勤めていた東宝を離れ独立を余儀なくされた経験から「食えないところへは行くな」と反対したという。また『戦争と平和』は当時GHQの指示で製作したが、完成した作品から労働者のストライキシーンを含む30分ほどのシーンをカットされたという逸話も披露した。
 最後に、今回の特集上映について「天国にいると思う、親父が一番喜んでいると思います」と締めくくった。

 常に大衆の幸福を願う心を持ち、社会で起こる問題を映画によって告発する、という姿勢を生涯貫いた山本監督。峻烈な批判精神の一方で娯楽映画として高い完成度を持つ作品群を一挙に堪能できる今回の特集は、フィルムセンターにて計12作品が連日、上映される。


(取材・文:大坪 加奈)

IMGP2352.jpg IMGP2356.jpg IMGP2360.jpg

投稿者 FILMeX : 2007年11月17日 12:00



up
back